合成内部標準を用いた尿中遊離糖鎖腫瘍マーカー群の高精度定量法の確立と応用
Project/Area Number |
23K06880
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Osaka International Cancer Institute |
Principal Investigator |
宮本 泰豪 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 臨床検査科副部長 (90322742)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 腫瘍マーカー / 糖鎖 / 質量分析 |
Outline of Research at the Start |
がん診断の精度向上のため、さらなる腫瘍マーカーの探索と診断技術の開発が求められている。尿中遊離糖鎖を詳細に解析した一連の研究から、がん患者尿で上昇するマーカー候補群を約50種類同定した。本研究ではこれらの尿中遊離糖鎖腫瘍マーカー候補群を、質量分析の選択反応モニタリング(SRM)法を用いて合成内部標準とのシグナル強度の相対比として多項目同時に定量する方法を確立する。さらに、多検体での解析を実施し、マーカー候補群の臨床での有効性の評価を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者は現在まで数多くの尿中遊離糖鎖の腫瘍マーカー候補を見出し、報告してきた。本研究では、解析に適した合成内部標準を準備し、尿中の遊離糖鎖腫瘍マーカー群を、質量分析の選択反応モニタリング(Selected Reaction Monitoring, 以下SRMと略す)法で高精度に多検体・多項目同時測定できる測定法を評価、確立する。さらに多検体測定を実施し、マーカー候補群の有効性を評価し、臨床応用へ向けた基盤づくりを進めることを目指している。 当該年度は、グルコサミンのアセチル化 (-COCH3)された部分を(N-アセチルグルコサミン)、グリコリル基 (-COCH2OH)に置き換えた (N-グリコリルグルコサミン)、4種類の合成内部標準を準備した。定量法の評価に用いる8種類のスタンダードもそろえた。 試料として健常人尿を用い、尿中クレアチニン濃度を基準として補正を行い、クレアチニン0.2 mg相当の尿を使用した。前処理として陽イオン交換樹脂とグラファイトカーボン固相カートリッジにより脱塩した。試料中の遊離糖鎖は2-アミノピリジンとの還元的アミノ化により特異的に標識 (PA化) し、その後、トリプル四重極質量分析装置によるLC/MS/MSを使ったSRMによって定量解析を行なった。最初にアッセイ全般の評価基本項目として、遊離糖鎖の精製や蛍光標識(PA化)などの前処理過程での回収率を測定した結果80%と非常に高い回収率を示した。さらに、4種類の内部標準、8種類のスタンダードに対して検量線を作成した結果、すべてR2 0.99以上の高い直線性が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に実施した合成内部標準を用いた尿中遊離糖鎖のSRMを用いた定量法の確立に向けての第一段階である回収率の測定と直線性の確認を終えた。合成内部標準は前処理やその後の測定においても高い回収率、再現性、直線性を示した。実施計画に沿ったものであり、目標達成に向けて、着実に前進していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究から、合成内部標準を用いた尿中遊離糖鎖の測定法で、高い回収率、直線性が確認できた。今後は正確度(Accuracy)と精度(Precision)の評価を実施する。具体的には、intra-day assay(日内でのばらつき)とinter-day assay(日差でのばらつき)を行い、正確度と精度を評価する。尿に一定量の内部標準と、8種類のスタンダード糖鎖をそれぞれ高濃度、中濃度)、低濃度を添加し、同様に前処理後SRM測定し、それぞれの検量線から添加したスタンダード糖鎖の濃度を計算する。同一日にN=5で実施した場合(intra-day assay)と、異なる5日に実施した場合(inter-day assay)でそれぞれ正確度と精度を測定、評価する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)