Project/Area Number |
23K06893
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
福田 いずみ 日本医科大学, 医学部, 教授 (80238477)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | IGF-II / 低血糖 |
Outline of Research at the Start |
種々の腫瘍性疾患の経過中に低血糖がみられる。その病態は膵島β細胞由来のインスリノーマと区別して膵外腫瘍による低血糖症(NICTH)とよばれる。NICTHの本態はインスリン様成長因子 (IGF)-II産生腫瘍であり、腫瘍からprocessing異常により前駆体 (pro IGF-II) のアミノ酸の一部が残存した大分子量 (big) IGF-IIが多量に分泌される。このbig IGF-IIの生物活性が正常IGF-IIと比べて強いのかは解明されていない。 本研究では、NICTHでなぜ低血糖が起こるのかを明らかにする一助として、big IGF-IIが標的細胞の各受容体と下流の情報伝達分子にもたらすリン酸化シグナルを定量し、big IGF-IIのインスリン様活性の強さを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
低血糖を呈する膵外腫瘍 (NICTH)で産生される大分子IGF-II(big IGF-II)が低血糖を引き起こすに至るシグナル伝達経路を明らかにすることを目的として、本年度はまず、我々がこれまでにゲノム編集(CRISPR-Cas9システム)によって作出したIGF-I受容体/インスリン受容体のそれぞれを欠損するヒト横紋筋肉腫由来RD細胞を用い、各受容体経路のシグナル伝達を選択的に評価することのできる培養細胞実験系を構築した。また、NICTHが疑われ全国からbig IGF-II解析を依頼された低血糖症例について、患者血清を本研究に用いる旨の研究計画を新たに倫理委員会に申請し、承認が得られたことから、上記の培養細胞実験系において、実際にヒト血清によるIGF-I受容体/インスリン受容体の活性化レベルの評価に着手した。これまでのところ、big IGF-II陽性者の血清は陰性者の血清と比較して、IGF-I受容体/インスリン受容体をより強く活性化することがウェスタンブロッティングによるリン酸化解析で明らかとなり、さらにbig IGF-II陽性者の血清は、インスリン受容体よりもIGF-I受容体を強く活性化することを示す結果が得られつつあることから、今後より評価検体数を増やして再現性を確認するとともに、NICTHの腫瘍摘出前後でbig IGF-IIが陽性から陰性となった患者血清でのIGF-I受容体/インスリン受容体活性化レベルの比較や、各受容体下流の細胞内シグナル伝達、さらには細胞の糖取り込みに及ぼす影響についても検討を加えていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IGF-I受容体/インスリン受容体のそれぞれを欠損するRD細胞を用いて各受容体の活性化レベルを評価する実験系を構築し、患者血清を本研究に用いる旨の研究計画の承認も得られたことから、実際にヒト血清を用いた評価を開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
より多くの患者血清を用いて結果の再現性を確認するとともに、NICTHの腫瘍摘出前後での各受容体活性化レベルの比較や、各受容体下流の細胞内シグナル伝達等に及ぼす影響についても検討を加える。
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