Project/Area Number |
23K06909
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
熊谷 元 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座准教授 (30911523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩見 利明 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座教授 (40140032)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | マイクロスリープ / 気管音 / スペクトログラム / 居眠り運転 / 深層学習 |
Outline of Research at the Start |
居眠り運転事故は欠伸やマイクロスリープ(瞬眠)の後に発生することが多いが、マイクロスリープの脳波測定は煩雑で、車の運転中等にリアルタイムで判定することは困難である。気管音をスペクトログラム表示し、独自に開発したAIを用いて深層学習することにより、覚醒と睡眠の識別、睡眠呼吸障害診断が可能なことを明らかにしてきた知見を基に、欠伸とマイクロスリープ時の脳波と気管音スペクトログラムをAI深層学習により検討する。居眠り事故を未然に防ぐための新たな簡便かつ低侵襲な方法の開発に有用な、欠伸とマイクロスリープを検出する気管音スペクトログラムの特徴を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
居眠り運転事故を予防するためには、居眠りの実態である15秒未満の短い睡眠であるマイクロスリープを早期に検出する必要がある。運転などの作業中に脳波を測定することは現実的ではないため、脳波測定よりも簡便かつ低侵襲にマイクロスリープを検出するために気管音スペクトログラムの特徴を検討する。研究対象者である睡眠検査を入院下に行った患者において、予定登録者数を上回る90名を登録することができた。これらの対象者において、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)、反復睡眠潜時検査(MSLT)、覚醒維持検査(MWT)の検査時に対象者の頚部にセンサーを装着し、検査中の気管音を記録した。PSG、MSLT、MWTの各検査における脳波や呼吸状態、筋電図、眼電図などを解析し、覚醒と睡眠を判定し、睡眠においては睡眠段階を判定した。さらに、脳波上のマイクロスリープをすべての検査において判定した。この過程で、判定不能、データ記録時間不足、電極装着不良などにより7名分のデータが除外された。これにより、研究対象となる取得された気管音データは347件であった。 続いて、取得した347件の気管音データを、先に判定したマイクロスリープの発生した時間と同期させ、気管音データを周波数スペクトルに変換し、その時系列をスペクトログラムとして視覚化した。視覚化した気管音スペクトログラムにおいて、マイクロスリープになった際の気管音スペクトログラムの変化が肉眼的に識別可能か、特徴を分析している。このことは、今後ディープニューラルネットワークで解析するために必要な段階であり重要な作業である。令和5年度に予定していた研究実施計画に沿って順調に遂行できており、引き続き研究対象者を登録し気管音データを収集するとともに、AI深層学習を行うための準備を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年4月から2024年3月までの1年間において、研究対象者である睡眠検査を入院下に行った患者において、予定登録者数50名を上回る90名を登録することができている。これらの対象者における終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)、反復睡眠潜時検査(MSLT)、覚醒維持検査(MWT)の検査時に、対象者の頚部にセンサーを装着し検査中の気管音を記録しデータを収集した。PSG、MSLT、MWTの各検査における脳波や呼吸状態、筋電図、眼電図などを解析し、覚醒と睡眠を判定し、睡眠においては睡眠段階を判定した。さらに、すべての検査における脳波上のマイクロスリープも判定した。 また、記録した気管音データを先に判定したマイクロスリープの発生した時間と同期させる作業を行った。すべての気管音データを周波数スペクトルに変換し、その時系列をスペクトログラムとして視覚化することも行った。 マイクロスリープに伴う気管音スペクトログラムの変化については、現在解析を進めている途中である。当初の予定よりも多くの登録者を得ることができ、記録されたデータ量も増えたため、解析に時間を要している。引き続き解析を行ったうえで、マイクロスリープと気管音スペクトログラムの変化の相関を検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き、研究対象者の登録とPSG、MSLT、MWTにおけるマイクロスリープ、気管音のデータの蓄積を行う。今年度に収集したマイクロスリープに伴う気管音スペクトログラムの変化の解析を済ませ、肉眼的に判定差される気管音スペクトログラムの変化も検討する。さらに、マイクロスリープと気管音スペクトログラムの変化の相関も解析する。 今年度に収集、解析したデータだけでなく、継続して収集されるデータも踏まえて、ラベル付けした教師データを作成し、今後行うAIによる深層学習に対する準備を行う。 その後、新たなデータの蓄積も行いながら、深層学習を開始し、そこから導かれる結果に対する検討を研究分担者、研究協力者と進めることにより、マイクロスリープを判定するための気管音スペクトログラムの特徴を明らかにする予定である。
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