Project/Area Number |
23K06930
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
重藤 寛史 九州大学, 医学研究院, 教授 (50335965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 平 国際医療福祉大学, 医学部, 准教授 (30631585)
緒方 勝也 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 教授 (50380613)
山田 絵美 九州大学, 人文科学研究院, 助教 (60737310)
塩津 弘倫 九州大学, 医学研究院, 助教 (90625766)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | .てんかん / 再発 / 頭蓋内記録 / マイクロRNA / 長時間ビデオ脳波モニタリング / てんかん |
Outline of Research at the Start |
側頭葉切除術では術後5年間で約1/3の症例に再発を認める。抗てんかん薬服薬下で発作を生じにくい発作間欠期と、長時間ビデオ脳波モニタリング(LT-VEEG)中に薬を減量し発作が生じやすくなった発作増多期、再発が出現してくる脳切除術後1年、の3つのステージで、LT-VEEGはじめ詳細な臨床情報、頭皮上電極・頭蓋内電極を用いた長時間ビデオ脳波記録および脳磁図からなる神経生理学的データ、海馬組織および毛髪のmicroRNA計測による分子生物学的データを多角的に解析することにより、てんかん術後の再発、すなわちてんかん原性獲得のメカニズムを解明し、てんかんに対する新たな治療法開発の礎になることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題初年度である2023年度は、①焦点てんかんの診断が確実で、頭蓋内脳波計測を介しててんかん手術を行った症例の臨床データ、長時間ビデオ脳波モニタリングのデータ、術後予後のデータ、術後の臨床・脳波・長時間ビデオ脳波データを後方視的に集積、②頭皮上脳波‐頭蓋内脳波同時記録により得られた長時間脳波記録に対し、時間周波数解析を行うプログラム、電極間の結合性解析を行うプログラム、をPythonを用いての作成、③前方視的な解析に向けて、マイクロRNA計測の構築、を行った。① に関しては、2014年1月~2023年3月まで34症例のデータ集積を行った。② に関しては、Pythonを用いて、時間周波数解析、結合性解析のプログラムを作成した。両側海馬と右半球の脳深部電極記録を設置し、抗てんかん発作薬を漸減しながら長時間ビデオ脳波モニタリングを行った一例のデータを対象に、このプログラムを用い、海馬脳波記録と皮質脳波記録の時間周波数解析、および、電極間の結合性の変化を解析している。③ に関しては、、てんかん患者に起こる炎症に着目し、高移動性グループボックス1タンパク(High mobility group box 1 : HMGB1)と、HMGB1と相補的な塩基配列を持つmicroRNA-34c(miR-34c)をSH-SY5Y細胞を用いて解析した。その結果、低マグネシウム環境で炎症を誘導した細胞ではHMGB1が増加し、miR-34cが減少しており、miR-34cがHMGB1を抑制する機能を持つという結果が得られた。また、マグネシウムの役割を代替するメマンチンを添加すると、HMGB1とmiR-34cの変化が抑制されるという結果が得られた。これらの結果から、マイクロRNAをてんかん発作が生じてくる情態のバイオマーカーとして利用できる可能性を示唆することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要に記載したように、① 焦点てんかんの診断が確実で、頭蓋内脳波計測を介しててんかん手術を行った症例のデータ集積を行うことができている。② 時間周波数解析、結合性解析のプログラムを作成しており、既に一例を対象に海馬脳波記録と皮質脳波記録の時間周波数解析、および、電極間の結合性の変化の解析を行うことができている。③ 培養細胞を用いて、マイクロRNAであるmiR-34cが、てんかん発作が生じてくる情態のバイオマーカーとして利用できる可能性を示唆することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
①に関しは2013年以前の症例も対象に引き続き後方視的なデータ集積を行う。②に関しては、一例で得られた解析結果を参照に、残りの症例に関しての解析を行っていく。③に関しては、マイクロRNAの計測を、外来通院中の患者の毛髪を用いて、てんかん発作の多い時期と少ない時期で差があるかを経時的に測定する方法を考えている。
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