Project/Area Number |
23K06934
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
石川 景一 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90733973)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | パーキンソン病 / 自律神経 / 交感神経 / iPS細胞 / αシヌクレイン / アルファシヌクレイン |
Outline of Research at the Start |
パーキンソン病の病態に重要な、自律神経におけるαシヌクレインの蓄積と伝播の機序解明、および治療候補薬探索を目的とする。まずiPS細胞から交感神経細胞への高純度な誘導方法を確立し、健常者由来iPS細胞およびαシヌクレインの重複変異をもつiPS細胞を、交感神経に誘導し検討することで、パーキンソン病患者の交感神経における異常の検出、病態解明、更には薬剤スクリーニングによる治療候補薬同定を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病はαシヌクレインを主成分とした細胞内封入体形成を病理学的特徴とする。近年の研究から多くのパーキンソン病患者でまず腸管神経系にαシヌクレインシードが生じ、これが自律神経を介して上行伝播して中枢神経系に至り、中脳黒質に達するとPDを発症すると考えられている。しかしながら、ヒト自律神経のαシヌクレイン蓄積や伝播に関する細胞レベルでの病態機序は不明のままである。本研究計画では、iPS細胞から自律神経細胞への効率的な誘導法を確立し、αシヌクレイン遺伝子変異の遺伝性PD由来iPS細胞から誘導した交感神経を用いて、パーキンソン病発症の病態解明および治療候補薬を同定することを目的としている。 令和5年度は、iPS細胞から交感神経細胞への効率よい分化誘導法を目指した。既報の誘導法を元に改善することで、約90-98%程度と高効率に誘導する方法を確立できた。さらに、この方法で誘導したiPS細胞由来交感神経細胞にαシヌクレインのシードを添加することで、特にαシヌクレイン重複変異を有する遺伝性パーキンソン病(PARK4)患者細胞でのみ、有意にαシヌクレインの細胞内凝集が引き起こされることを確認し、実際の病態を再現する疾患モデルを確立した。今後はさらに解析を加えることで、αシヌクレイン凝集機序やその細胞間伝播の機序の解明、それらを阻害する薬剤の同定などを進めていく予定である。また、病態解明につながる可能性のある付随するほかの表現型の検出も行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた健常者由来iPS細胞、および遺伝性パーキンソン病患者(PARK4)由来iPS細胞からの効率よい交感神経誘導法を確立できた。さらにこれら誘導した交感神経細胞の疾患表現型を一部再現することができた。以上から、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度に検出した疾患表現型をもとに、電気生理やタンパク質機能解析などにより、さらに詳細かつ複数の病態解明に近づく解析を追加する。また、他の種類の細胞との共培養によるより生理的環境に近いモデルによる病態解析、解明を目指す。さらに、発見した病態から、それを改善する可能性のある治療候補薬の同定を行う。
|