Project/Area Number |
23K06965
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
真崎 勝久 九州大学, 大学病院, 講師 (90612903)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 浩雄 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (00701830)
山崎 亮 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10467946)
渡邉 充 九州大学, 大学病院, 助教 (30748009)
吉良 潤一 国際医療福祉大学, 医学研究科, 教授 (40183305)
松瀬 大 九州大学, 医学研究院, 講師 (70596395)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 多系統萎縮症 / 脱髄 / オリゴデンドロサイト / シヌクレイン / コネキシン / ギャップ結合 |
Outline of Research at the Start |
私たちはオリゴデンドロサイトにおいてヒト変異αシヌクレインを髄鞘形成後に発現させることで急速に神経症状が進行する多系統萎縮症の新たなモデルマウスの開発に成功した。本モデルは小脳性運動失調や運動麻痺が明らかで発病時期や進行も速く、ヒト病態をより鋭敏に反映し、治療法開発に有用である。脱髄やオリゴデンドロサイト細胞死に先行してグリア細胞間情報伝達を担うコネキシン群が広汎に脱落することを発見し、αSyn蓄積と脳内恒常性グリアネットワーク破綻という全く新しい視点から病態解明と新規治療法開発を推進する。国内の大学および製薬企業との連携により中枢神経への移行性の高い薬剤を用い臨床応用の実現化を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
多系統萎縮症(MSA)は小脳入力系や黒質線条体の髄鞘脱落と神経障害を呈するが、その機序は解明されていない。MSAにおけるオリゴデンドロサイト系統細胞を病理学的に解析し、髄鞘脱落との関連について明らかにする。病理学的に確定されたMSA15例の剖検標本を使用した。小脳入力系白質でKluver-Barrera染色を行い、髄鞘脱落の程度からStage I(軽度)、Stage II(中等度)、Stage III(重度)と病期分類した。オリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)はNG2、ミエリン形成前オリゴデンドロサイト(preOL)はGPR17、BCAS1、ENPP6、成熟オリゴデンドロサイト(OL)はTPPPをマーカーとして免疫染色を行い、細胞の発現パターンや軸索との関連を解析した。15例のMSAにおいて、Stage Iは5例、Stage IIは3例、Stage IIIは7例に分類された。Stage Iではリン酸化αシヌクレイン陽性グリア細胞質封入体(GCI)を伴うTPPP陽性OLが多数観察され、病期の進行とともにOL数は減少した。NG2陽性OPCはStage IとStage IIで多く認められ、Stage IIIではOPC数は減少していた。GPR17陽性preOLはStage Iで軽度の増加、Stage IIで顕著に増加し、Stage IIIでは認められなかった。BCAS1とENPP6陽性preOLは全ての病理で少数認められた。幾つかのGRP17陽性preOLはアポトーシス関連因子Xaf1が陽性であった。また、GPR17陽性preOLはStage Iで多くの突起を軸索に伸ばす所見をみとめ、Stage IIやStage IIIでは軸索との接着は見られなかった。GPR17はオリゴデンドロサイト分化の抑制因子であり、MSAにおいて髄鞘脱落や再髄鞘化阻害に寄与している可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多系統萎縮症剖検15例における病理学的解析は順調に進行できている。また、わたしたちが作成した多系統萎縮症モデルマウスでもオリゴデンドロサイトの脱落やオリゴデンドロサイト前駆細胞が動員されることはすでに見出しており、GPR17といった分子の発現亢進も見出している。オリゴデンドロサイト前駆細胞やその特異的マーカーを標的とした治療介入を推進する計画を大学院生と進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
わたしたちが樹立した多系統萎縮症モデルマウスでは、薬剤の経口投与、腹腔内投与、髄腔内投与の実験系が確立できており、オリゴデンドロサイト前駆細胞やGPR17発現を修飾できる薬剤を順次試していく計画を進めている。
|