脳領域間の因果関係を考慮に入れたネットワーク解析によるうつ病のrTMS治療機序の解明
Project/Area Number |
23K06992
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
石田 卓也 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10549728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 彬 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20735914)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | rTMS / うつ病 / rsfMRI / DCM |
Outline of Research at the Start |
うつ病患者への反復系頭蓋刺激療法(rTMS)の治療機序は現在も不明である。近年rsfMRIデータに対するDynamic Causal Modeling (DCM)という解析手法が開発され、脳領域間の因果関係を考慮に入れた相互作用を調べることが可能となった。本研究ではうつ病患者を対象として、rTMS治療前後でrsfMRIを撮像し、うつ病に対するrTMS療法に関わる脳領域間を同定し、それら領域間の動的な相互作用のrTMS治療前のベースラインや治療前後における変化を調べ、rTMS治療前後のうつ病の改善度との相関を調べることで、rTMS療法の治療機序を解明するとともにその効果予測因子を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
和歌山県立医科大学でリクルートした健常者50人、うつ病患者42人とともに、国内多施設公開データのdecnefデータを合わせて健常者177人、うつ病患者120人のrsfMRIデータを用いて、rTMSの刺激箇所である左DLPFCをseedとした機能的結合(FC)マップを作成し、2群間での差を検討した。その結果、視覚野(VIS)と視床(Thal)においてうつ病群で異常なFCを呈していることが明らかになった。さらに、左背外側前頭前野(DLPFC)と機能的に繋がっているうつ病関連ネットワーク上にある左DLPFC,VIS,Thal,前帯状回膝下部(sgACC),側坐核(NAC),扁桃体(AMY),島(A I),腹内側前頭前野(VMPFC)間の因果関係を考慮に入れた因果性結合を比較したところ、うつ病では左DLPFCからV I Sまた、皮質下領域からVISへの因果性結合、さらに、A IからAMY、NAC、VMPFCへの因果性結合が健常者と比較して異常な関係にあることがわかった。さらにNACからVIS,AIからVMPFCへの因果性結合は抑うつ尺度ども相関した。これらの異常がうつ病の病態機序に関連しているとともに、rTMS療法による左DLPFCへの刺激はVISやThalへ波及して、それがさらにsgACC、AI、NACなどへ波及して抗うつ効果をもたらす可能性を示唆することを示した。さらに、和歌山県立医科大学精神科で集めた健常者50人、統合失調症患者36人、うつ病患者42人のrsfMRI画像を用いて、energy-landscape解析という方法を用いて、精神疾患横断的に脳の活動ダイナミクス異常を認め、その度合いは統合失調症>うつ病>健常者であることがわかり、Neuroimage Clinicalに出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記で記載した研究結果から、rTMS治療前後で比較すべき関心領域としては、左DLPFC, AMY,NAC,Thal,AI,sgACC,VIS,VMPFCに決定することができた。 しかし、現時点ではrTMS治療を行ううつ病患者を研究にリクルートしているが、治療前後で撮像するfMRI画像に関しては脱落者が多く、治療前後で撮像できたものは、この1年間で実質数名程度しかおらず、rTMS治療前後のうつ病患者の脳内変化を直接みるためのサンプル数が研究計画に比べて、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はrTMS治療前後においてrsfMRIを測定するうつ病患者のリクルートの速度を上げる必要がある。その上で、上記で決定したROI間における因果性結合変化を解析して、rTMS治療におけるうつ病患者の治療反応性を予測するバイオマーカーの探索を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)