Project/Area Number |
23K07000
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
森 征慶 福岡大学, 薬学部, 助教 (00759251)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 社会的孤立 / 内側前頭前野 / マイナス感情 / 衝動性 / 不安 / プロテインキナーゼC / アドレナリンα1受容体 / 孤立 / ノルアドレナリン |
Outline of Research at the Start |
社会的孤立 (以下、孤立) が深刻化する現代、孤立者の心の健康管理がもとめられている。孤立は強いマイナス感情 (不安・怒り) を生み出し、精神疾患などのリスクとなる。孤立によるマイナス感情の形成には、mPFC (内側前頭前野) の神経機能の低下がかかわっているが、その分子機構は明らかではない。私たちは孤立させたラットを用いて、mPFCのNA受容体であるα1受容体数が増加していることを明らかにした。本研究では、神経機能を低下させる特性を持つα1受容体とそのシグナル経路に焦点を当てて、孤立によるマイナス感情の形成メカニズムを解明する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ひきこもりなどの家族や友人とのつながりが希薄な孤立状態(社会的孤立)が深刻化する現代、孤立者の心の健康管理がもとめられている。特に、脳機能の発達期である幼少期に長期間の孤立を経験すると、強いマイナス感情 (不安・怒り) を生み出し、将来的に精神疾患や自殺のリスクとなる。孤立によるマイナス感情の形成には、mPFC (内側前頭前野) の神経機能の低下がかかわっているが、その分子メカニズムは明らかではない。私たちはこれまでに、孤立させたラットのmPFCにおいて、ノルアドレナリン受容体であるα1受容体数が増加していることを明らかにしている。過去の研究から、α1受容体はmPFCの神経機能を低下させる特性を持つことが明らかになっている。そこで本研究では、mPFCのα1受容体シグナル経路に焦点を当てて、孤立によるマイナス感情の形成メカニズムの解明を試みる。 α1受容体シグナルには、主に10種のPKCアイソザイムを介した経路があり、それぞれ異なる細胞応答を制御している。本年度ではα1受容体の下流経路であるPKCに着目した。孤立がどのPKCアイソザイムに対して影響を与えるのかを調べるために、孤立ラットのmPFCにおけるPKCアイソザイムmRNAレベルを評価した。 その結果、幼少期から孤立環境で飼育されたラットのmPFCでは、PKCγおよびPKCεのmRNA発現量が有意に増加していた。これらのPKCアイソザイムは、双極性障害や統合失調症などの精神疾患の発症にかかわることが示されている。そのため本研究結果から、幼少期の社会的孤立によるマイナス感情の形成メカニズムには、mPFCにおけるα1受容体-PKCγおよびPKCε経路を介した神経機能障害が関与する可能性が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度ではPKCアイソザイムのリン酸化レベルまでを検証する予定であったが、リン酸化を調べるための抗体の選定、ならびに購入後の測定条件の最適化に時間を要したため、多少の遅れが生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在では、必要な抗体の入手・条件の最適化も済んでいるため、問題なく検証を進めていけると考えている。今後は変化の見られたPKCアイソザイムを中心にリン酸化レベルを検証していく予定である。しかし、mRNAレベルとタンパクレベルは必ずしも一致するわけではないことが複数の研究で報告されている。そのため、mRNAレベルでは変化のみられなかったPKCアイソザイムに関しても同様にリン酸化レベルを検証しようと考えている。
|