Project/Area Number |
23K07055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎本 敦 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (20323602)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | TAK1 / DNA二重鎖切断修復 / DNA損傷応答 / リン酸化 / DNA二重鎖切断 / 放射線増感 |
Outline of Research at the Start |
TAK1(TGF-β-activated kinase 1)はサイトカインシグナルの中心的な役割を担い,免疫応答や細胞増殖に深く関わっている。研究代表者はTAK1の局在が核にもあり、X線照射によりTAK1が活性化すること、X線誘発DNA二重鎖切断マーカーであるγ-H2AXの発現がTAK1阻害剤併用下で亢進することを見出した。そこでTAK1のDNA修復への関わりを解析するため、X線照射後のTAK1核内ダイナミクスや核内TAK1相互作用分子の同定を進め、それらの意義を明らかにする。またTAK1阻害剤やハイパーサーミアによるTAK1を標的とした放射線増感のメカニズムを分子機構の側面から明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
TAK1はプロテインキナーゼとしてIκB (Cytoplasmic Inhibitory protein)など細胞質内にある基質タンパク質をリン酸化し、免疫応答や細胞増殖の制御に寄与している。しかしながら、放射線によるTAK1活性化の意義と核内に局在するTAK1の役割についてはほとんど明らかにされていない。、研究代表者はTAK1が放射線照射により活性化すること、そしてTAK1阻害剤併用下において、X線によるDNA二重鎖切断マーカーであるγ-H2AXの発現が亢進することを見出している。さらにTAK1特異的なsiRNAを用いた場合でもγ-H2AXの発現が亢進することが確認でき、TAK1のDNA二重鎖切断修復への関与の可能性が示唆された。そこでTAK1が核内での局在を明らかにするため、免疫染色により解析したところ照射後にTAK1が核内にフォーカスを形成することが見出した。また核内での相互作用を質量分析により解析したところ、複数のDNA修復分子がTAK1と結合していることが示唆された。TAK1と相互作用する可能性のある分子について、生理的条件下および過剰発現系により検討を行い、いくつかの分子について細胞内での結合が確認された。これらのTAK1の結合分子にはDNA二重鎖切断修復の初期過程に機能しているものが含まれていた。さらにDNA二重鎖切断修復シグナルについて、TAK1阻害剤やTAK1 siRNAによる影響を調べた結果、DNA損傷シグナルのメディエーターとして知られているCHK1のリン酸化に抑制が見られた。これらの結果から、TAK1は核内でDNA二重鎖切断修復を正に制御誌ている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに複数の細胞株を用いて、TAK1阻害剤やsiRNAによるDNA二重鎖切断修復の阻害効果を見出し、またTAK1が核内に局在してDNA修復に関わる分子と結合していることを免疫染色や免疫沈降法により明らかにした。またリン酸化抗体を用いたDNA損傷応答シグナルの解析においてもTAK1阻害剤により放射線によるDNA損傷シグナル活性化、すなわちDNA修復に関わるトランスデューサー分子のリン酸化に関して抑制効果がみられ、これらの事実からTAK1がDNA修復に関わっている可能性が示された。しかしながら具体的な分子機構についてはまだ不明な点が多い。特にTAK1相互作用分子は質量分析により候補が複数見つかっているものの、変異体タンパク質の発現や精製に時間を要した。これらについては精製条件やカラムの変更により改良出来ている。TAK1と相互作用分子の結合の意義やリン酸化の可能性および意義については現在解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
TAK1相互作用分子が具体的にDNA損傷応答のどのプロセスにかかわっているのかを明らかにする。DNA損傷の初期過程では、ATMのリン酸化による翻訳後修飾やDNA修復複合体形成 (MRN complex; Mre11, Rad50, Nbs1 complex)などのタンパク質-タンパク質間相互作用がDNA損傷シグナル伝達のイニシャルイベントとして起こる。そこで核内TAK1相互作用分子のノックダウンあるいは変異体導入細胞における放射線誘発ATMシグナルやMRN複合体形成について生細胞イメージングや免疫染色により解析する。DNA二重鎖切断修復には主にDNA複製期であるS期やG2期にDNAに相同性のある姉妹染色体分体間で行われる相同組換え修復(Homologous recombination:HR)と細胞周期依存性やDNAの相同性を必要としない非相同末端結合(Non-homologous end joining:NHEJ)が知られている。そこで核内で正しくHRあるいはNHEJが行われればGFP蛍光タンパク遺伝子として再配列が起こり、GFPを発現するようなプラスミドカセットと核内TAK1相互作用因子に対するsiRNAを共に細胞に導入し、フローサイトメトリーによるGFP蛍光強度を指標としたHRやNHEJ活性を評価する。さらに核内TAK1相互作用因子の変異体がHRやNHEJ修復における複合体形成や個々の分子機能に与える影響を分析し、DNA二重鎖切断修復における役割を明らかにする。
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