Project/Area Number |
23K07070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
石川 純也 杏林大学, 保健学部, 講師 (70707215)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 造血幹/前駆細胞 / セノリティックス / 細胞老化 / 放射線感受性 / 分化・増殖能 / 造血再構築 |
Outline of Research at the Start |
造血幹/前駆細胞は,放射線被ばくにより分化・増殖能を喪失する.これは高線量被ばく個体にとって致命的であるため成長因子による造血再構築が試みられるが,未熟な造血幹細胞の老化や枯渇と長期的な造血不全がもたらされる.本研究では,分化・増殖能喪失機序の核心に迫ることで新規標的を探索しつつ,分化・増殖能維持にセノリティックスが有効なのか検討し,造血幹/前駆細胞と微小環境の正常化による本質的な造血再構築に繋げることを目的とする.その成果は被ばく医療のみならず,造血機能の個体差感受性の評価に有用であり,さらに放射線治療の効率化や個別化への展開が期待される.
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Outline of Annual Research Achievements |
造血幹/前駆細胞は放射線被ばくにより分化・増殖能を喪失する。これは高線量被ばく個体にとって致命的であるため成長因子による造血再構築が試みられるが、その結果として未熟な造血幹細胞の老化や枯渇と長期的な造血不全をもたらす。そこで本研究では、選択的に老化細胞を除去するセノリティックスが、高線量被ばくからの回復で最も重要な造血幹/前駆細胞の分化・増殖能維持に有効なのか、分化・増殖能喪失機序の核心に迫ることで新規標的を探索しつつ、造血幹/前駆細胞と微小環境の正常化による本質的な造血再構築に繋げることを目的とする。その成果は被ばく医療のみならず、造血機能の個体差感受性の評価に有用であり、さらに放射線治療の効率化や個別化への展開が期待される。 令和5年度は、ヒトCD34+造血幹/前駆細胞へのX線照射後に(1)クローン増殖能、(2)DNA損傷量、さらに(3)老化マーカー発現量の変化について調査した。その結果、照射後12時間以内にクローン増殖能は大幅に低下し、DNA損傷量と老化マーカーであるp21の発現量が増加していた。一方、ABT-263を含む既存のセノリティック薬を投与することでクローン増殖能に大きな変化は認められなかった。これらの結果は、放射線によるクローン増殖能喪失に細胞老化が関与していること、セノリティック薬の作用機序によりクローン増殖能への影響が異なる可能性を示しているが、さらなる実験が求められる。そこで令和6年度は細胞老化の線量・時間変化と発生機序の解析を継続するとともに、老化細胞除去と分化・増殖能との関連性解析をより詳細に検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度までに実施を計画していた項目のうち、基盤となるコロニーアッセイによる分化・増殖能の線量・時間変化の解析、さらにSA-β-Gal等を含む老化状態の線量・時間変化の解析により、クローン増殖能喪失には細胞老化が関与している可能性を明らかにした。これらの検証は現在も進めており、これらの結果がでる令和6年度は研究の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、前年度までの検討課題1「細胞老化の線量・時間変化と発生機序の解析」及び検討課題2「老化細胞除去と分化・増殖能との関連性解析」を継続して推進すると共に、検討課題3「微小環境との関連性に基づく標的探索と検証」を開始する。 令和6年度に検討する具体的な項目は次の3点である。 (1)γ-H2AXのfoci形成を含むDNA損傷量と細胞内活性酸素種量の線量・時間変化の解析 (2)ABT-263を含む薬剤投与後の老化状態,SASP,分化・増殖能の変化の解析 (3)ABT-263を含む薬剤投与後の老化状態,SASP,分化・増殖能の変化を生体内で検証
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