Project/Area Number |
23K07110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福本 航 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (00726870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟井 和夫 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30294573)
川下 郁生 広島大学, 医系科学研究科(医), 共同研究講座准教授 (70309657)
檜垣 徹 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (80611334)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | Dual-energy CT / 死後CT / 物質弁別画像 |
Outline of Research at the Start |
死後画像診断は、解剖率の低い我が国において、死因究明のための重要な役割を担っている。特に、死後CTは脳出血や大動脈疾患、骨折などが検出でき、死因診断に有用である。 一方で、死後CTでは、肺動脈血栓症や冠動脈疾患など死因診断が困難な症例も多く、死後CTの死因診断能は必ずしも高くはない。 そこで異なる2つのエネルギーのX線で撮影し、物質の識別が可能であるDual-energy CT(DECT)を応用し、死後CTの死因診断能を向上させる手法を開発する。DECTにより、血栓や梗塞病変が検出できれば、肺動脈血栓症や冠動脈疾患などの死因診断が行え、死後CTの死因診断能の向上につながる可能性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
死後画像診断は、解剖率の低い我が国において、死因究明のための重要な役割を担っている。しかしながら、造影剤を使用しない死後CTでは、肺動脈血栓症や冠動脈疾患など死因診断が困難な症例も多く、死後CTの死因診断能は40-60%程度と必ずしも高くはない。本研究は、異なる2つのエネルギーのX線で撮影するDual-energy CT (DECT)を応用することで、従来CTでは診断困難であった死因を検出し、死後CTの死因診断能の向上を目的とする。 2023年度は、約130症例の死後DECT症例を収集した。これらのCTデータの物質弁別画像を用いて、血腫や梗塞、血栓が従来CTと比較して検出しやすくなるかどうか検討した。放射線診断医の主観的評価では、物質弁別画像による血腫や梗塞、血栓の検出能の向上は得られなかった。これは、死後CTでは生体での撮影とは異なり、腕を下に下げた状態で撮影が行われるため、特に胸部領域では上肢からのアーチファクトが強くみられており、物質弁別画像のノイズが増加したため、良好な結果が得られなかったものと考察した。また、物質弁別画像のパラメータの調整不足も一因であると考えられた。 ファントム実験としては、胸部ファントムを用いて、内部にボランティアから採取した血液を挿入し、血栓や血腫の検出が従来CTと比較して向上するか否か検討中である。臨床例では、物質弁別画像による血腫や梗塞、血栓の検出能の向上は得られなかったため、ファントムを用いてパラメータの調整を行っている。また、物質弁別画像に加え、DECTを応用した電子密度画像を用いることで血腫や梗塞、血栓の検出能の向上が得られる可能性があるため、これについても検討を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は症例を3年間で300症例収集する予定であったが、既に初年度で130症例症例が行えており、症例収集に関して概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の臨床例の検討では、上肢からのアーチファクトやパラメータの調整不足のため、物質弁別画像による血腫や梗塞、血栓の検出能の向上は得られなかった。2024年度はファントムを用いて物質弁別画像のパラメータの再調整を行う予定である。また、物質弁別画像に加え、DECTを応用した電子密度画像を用いることでも血腫や梗塞、血栓の検出能の向上が得られる可能性があるため、これについても検討を行う。死後DECTの臨床例の収集に関しては、2024年度も継続的に行う。臨床例では両上肢のアーチファクトが強く出る傾向があるため、頸部や下腹部領域など上肢からのアーチファクトの影響の少ない領域を対象として、パラメータ調整を行った物質弁別画像により血腫や梗塞、血栓の検出能の向上が得られるかどうか検討する予定である。
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