Project/Area Number |
23K07124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
小倉 淳 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 モデル動物開発研究部, テクニカルフェロー (00633174)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 脳機能 / 動物PET / 放射線科学 / BBB透過性 / ストレス / うつ病 |
Outline of Research at the Start |
マウスを用い、[11C]AIBトレーサーによるPET撮像および画像再構成プロトコル、社会的敗北ストレス(SDS)実験・マウスの各種行動試験プロトコルの最適化を行い、BBB透過性について先行研究と同様の結果が得られるか検証する。最適化されたプロトコルによるデータ収集および解析を実施し、BBB透過性・脳機能・うつ病症状に関する行動指標との間に相関があるという仮説の検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、慢性的・精神的ストレスが血液脳関門(BBB)へ及ぼす影響について明らかにし、BBBの特定領域の透過性亢進がうつ病症状を引き起こす原因の一つであり、それに伴って脳機能低下が誘導されるという仮説を検証することである。大うつ病性障害(MDD)の原因の一つとして側坐核と海馬におけるBBB透過性亢進の可能性が報告されている。しかしながら、これら領域におけるBBB透過性亢進とin vivoでの全脳を対象とした脳機能賦活との関連性については不明のままである。そこでうつ病モデルとして利用される社会的敗北ストレス(SDS)モデルマウスを用い、[11C]AIBおよび[18F]FDG PETによりBBB透過性と脳機能を評価し、行動特徴量と合わせてその関連性を全脳で明らかにする。また、BBB透過性評価にはガドリニウム造影剤(Gd-DTPA)によるものが報告されているが、Gdは生体に有毒であるとされる。一方、AIBは人工アミノ酸であり極めて安全性が高い。臨床応用や繰り返し測定に適しているため、BBBのリーク開始を生体に対して少ない負荷で調べることができると考える。本研究成果はMDDの発症メカニズムの解明に貢献するのみではなく、BBB機能障害を標的とした新たな抗うつ薬の開発にもつながるものである。 本年度はまず[18F]FDG PETによる検討を実施した。行動試験にはスクロース嗜好試験、強制水泳試験、社会性試験を合わせて行った。予備検討として一群n=3で傾向をみたところ、SDSモデル群ではFDGの取り込みが一部の脳領域で低下しているように見えた。各行動データを1つの指標にまとめたものとPETデータとの間には一部相関がみられた。現在新たにSDS群、コントロール群と別に物理的な感作を行わないSDSモデル群を追加し、それぞれn=2ずつのFDG PETデータを取得し、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は2群で比較していく予定であったが、新たに物理的な感作を行わないSDSモデル群の影響についても検討が必要であると判断し、追加検討を進めることができた。プロトコルの大きな変更はないが、得られる知見が増える可能性が出てきたと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
SDSモデルマウスによるFDG PETの検討を進めつつ、[11C]AIB PETの検討を進める。AIB PETではまず冷却による脳表層の局所的な損傷モデルを作成し、BBB損傷具合の検出感度等について検証する。行動試験については明暗ボックスを使った不安指標の計測の追加を検討中である(明暗ボックス装置の準備は実施済み)。
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