Project/Area Number |
23K07229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
内山 由理 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (50829794)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | TP53活性化調節 / ATMパスウェイ / 全エクソーム解析 / 細胞周期 / DNA損傷 |
Outline of Research at the Start |
DNA損傷に対する修復応答機構に関わる遺伝子の機能喪失・破綻は、細胞死の誘導、成長・発達障害、知的・運動障害、免疫不全症や高発がん性を来す。このパスウェイ上の特にTP53活性化調整にかかわる遺伝子に病的と考えられる変異をきたした家系を解析することで、新規遺伝子異常症候群の病態解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
DNA損傷に対する修復応答機構に関わる遺伝子の機能喪失・破綻は、細胞死の誘導、成長・発達障害、知的・運動障害、免疫不全症や高発がん性を来す。申請者は、関連家系に対して行った全エクソーム解析による遺伝学的解析により、細胞死の調節を担うRIPK1の病的バリアントを報告し(Uchiyama et al., J Hum Genet.2019)、ATM (ATM Serine/Threonine Kinase) シグナルパスウェイ上のDNAの二重鎖切断の修復応答を構成する2つの新規責任遺伝子に病的変異を見出した(未発表)。同様の表現型がみられる集団から、最重度神経発達障害、成長障害、てんかん性脳症の4家系には遺伝子Aに潜性(劣性)変異を、神経発達障害・関節過可動の1家系には遺伝子Bに新規突然変異 [顕性(優性)変異]を見出した。遺伝子A・Bは、DNA損傷時にTP53の活性化調整により細胞周期停止へ導く経路を構成する異なる遺伝子である。本研究では、(1)当該及び下流遺伝子の発現・機能変化・異常検証のため、in vitro でのRNAシークエンスやWestern Blot解析を用いて評価し、(2)神経発達障害・免疫不全症を含む原因不明の2831家系のトリオエクソームコホートデータに対し、DNA損傷の修復応答機構を構成する遺伝子群の中で新規疾患原因候補遺伝子・バリアントの探索・同定を行うことを目的としている。2023年度の解析では、候補となる2遺伝子の転写量に変化がないことを確認した。また、エクソームデータ解析については、候補遺伝子に対するバリアント抽出時の絞り込み条件につき検討を行った。この系はその他の希少疾患に関しても応用可能であり、非常に有用と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の解析として、以下を行った。 遺伝子A、Bにおける解析に関して:2家系における患者及び健常人由来リンパ芽球様細胞 (LCL: lymphoblastoid cell line)から抽出したRNAを用いて、qRT-PCR解析よる遺伝子A及びBの転写量を評価した。これらの実験結果から、転写量は変化していないことを確認した。今後、タンパク質を抽出、ウェスタンブロッティングによる各遺伝子の発現量を評価予定である。 原因不明の先天性神経発達障害を主とする2831家系のトリオベースのエクソームデータを用いた再解析に関して:既に候補となるバリアントが検出されており、現在評価を行っている。その他、Engeland et al.,らの報告にあるTP53-CDKN1A-RB1シグナル伝達経路に関係する480遺伝子に関する1遺伝子毎の検索は、バリアント絞り込みを行う際の条件検討を行っている。遺伝子の特徴を踏まえ、漸次基準に従って解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、遺伝子A, Bに関する実験として、タンパク質を抽出、ウェスタンブロッティングによる各遺伝子の発現量を評価予定である。そのほか、下流遺伝子の発現変化を検出する目的で、RNAシークエンスを予定している。予備実験での成果が得られるようであれば、DNA損傷時の変化についても検討する。 2831家系のトリオベースのエクソームデータを用いた再解析に関しては、構築した条件に基づき、候補遺伝子における絞り込みとその評価を進める。
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