Project/Area Number |
23K07273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
中江 淳 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (00344573)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | エネルギー消費 / ベージュ細胞 / 皮下脂肪組織 / Ccl22 / Th2リンパ球 / 脂肪組織 / ベージュ化 / ケモカイン |
Outline of Research at the Start |
本研究では、寒冷刺激下におけるマウス脂肪組織でのCcl22および各種免疫細胞マーカー遺伝子の発現パターンを寒冷刺激後経時的に解析する。この解析により、どの免疫細胞が最初に変化するのか、ケモカインCcl22はそのトリガーになりうるか、解析する。最終的にエネルギー消費調節でのCcl22の生理的役割を明らかにするために、マウスへのCcl22の全身投与およびCcl22ノックアウトマウスを用いて、体重、酸素消費量、脂肪細胞のベージュ化への影響を検討する。以上の検討は、エネルギー消費調節の新たな鍵分子として、Ccl22を同定することに繋がるとともに、肥満の予防・治療に新たな標的分子を提示することに繋がる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度、マウスを寒冷刺激下において、皮下脂肪組織および精巣上体脂肪組織においてUcp1、Ccl22、ベージュ細胞マーカーおよび各種免疫細胞マーカー遺伝子の発現を解析した。その結果、Ucp1、ベージュ細胞マーカー、Ccl22遺伝子は、皮下脂肪組織のみ寒冷刺激24時間で発現が有意に誘導された。また、免疫細胞マーカーでは、皮下脂肪組織において、インターロイキン4(Il4)、13(Il13)Th2リンパ球マーカーであるCcr4、Gata3遺伝子発現が有意に上昇していた。一方、M2マクロファージ、好酸球、Innate lymphoid cell type 2 (ILC2)のマーカー遺伝子は、むしろ精巣上体脂肪組織での発現誘導が顕著に認められ、同脂肪組織でのUcp1発現の欠如と照らし合わせると、ベージュ化への関与はむしろ弱い結果であった。今回、western blottingにより、Ccl22蛋白の皮下脂肪組織での発現も確認した。さらに、交感神経刺激薬(CL316243)の腹腔内投与による遺伝子、蛋白発現への影響も検討した。その結果、寒冷刺激と同様に、投与後5日目にて、Ucp1、ベージュマーカー遺伝子、Ccl22、Il4、Il13、Ccr4、Gata3遺伝子発現の有意の上昇が、皮下脂肪組織でのみ認められた。western blottingでも、Ccl22発現が確認された。以上のことから、皮下脂肪組織におけるCcl22の発現誘導は、寒冷刺激のみならず、交感神経刺激においても認められ、脂肪細胞のベージュ化において、共通して認められることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究から、白色脂肪細胞のベージュ化を誘導させる新たな因子として、ケモカインCcl22を候補タンパクとして、同定した。Ccl22の寒冷刺激下およびCL316243腹腔内投与における白色脂肪細胞のベージュ化への関与、さらに、Ccl22によるTh2リンパ球の皮下脂肪組織へのリクルートが、ベージュ細胞化へのトリーガーとなっているかを明らかにしていく価値があると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Ccl22の脂肪細胞ベージュ化の生理的作用の有無を検討することに焦点があてられる。今回、申請者は、全身型(null)のCcl22ノックアウトマウス(Ccl22 KO)を解析する。元来、Ccl22は、樹状細胞、マクロファージでの発現が特異的であり、全身型ノックアウトでもそれほど影響はないと考えられた。さらに今回解析において、問題視されるのは、寒冷刺激下、CL316243投与時での皮下脂肪組織でのCcl22発現をシャットアウトする点である。したがって、nullのCcl22 KOで十分と考えられた。KOマウスは、すでに当大学動物実験施設に搬入予定であり、当大学、遺伝子組み換え実験、動物実験計画書は、委員会にて承認済みである。Ccl22 KOを入手後は、寒冷刺激下およびCL316243腹腔内投与後において、Ucp1、Th2リンパ球マーカー、ベージュ細胞マーカーの発現誘導の欠如が認められれば、Ccl22の脂肪細胞のベージュ化における生理学的役割が明らかにされる。逆に、同遺伝子群の発現誘導にコントロールマウスと差が認められなければ、その生理学的意義は否定される。
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