Project/Area Number |
23K07275
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
内田 敬子 慶應義塾大学, 保健管理センター(日吉), 准教授 (50286522)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 怜奈 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70528299)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 心臓発生 / 遺伝子解析 / 遺伝子改変マウス / 先天性心疾患 |
Outline of Research at the Start |
難治性の先天性心臓流出路異常が数種の遺伝子レアバリアントの組み合わせによって発症すること(オリゴジェニック遺伝)を先天性心疾患領域で初めて検証する。自施設の患者を含む家系を対象とした家系遺伝子解析とゲノムバンクを用いた遺伝子解析、データベース等により、独自に数種の疾患候補遺伝子バリアントの組み合わせを絞り込む。病的レアバリアントの組み合わせが、いかに心臓流出路異常をきたすのか、in vitro解析と遺伝子改変マウスを用いたex vivo, in vivo解析により、分子・細胞レベル、組織レベル、個体レベルで検証する。本研究は、臨床と基礎をつなぐトランスレーショナルリサーチに位置付けられる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
自施設の家系例または先天性心疾患のゲノムバンクから先天性心臓流出路異常である総動脈幹症(PTA)24例、心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖(PAVSD)78例を抽出し、全エキソーム解析または遺伝子パネル解析を行った。NOTCH1もしくはFLT4のExon領域もしくはsplicing領域に有意と判定された遺伝子変異がPTA3例、PAVSD10例で検出された。両方の遺伝子に複合ヘテロ接合性変異を認めた症例がそれぞれの疾患で1例ずつあった。 今回検出されたNOTCH1の病的レアバリアントに対してin vitro機能解析を行った。NOTHC1バリアントの細胞膜への移行を検討するため、Nano-Glo HiBiT Extracellular Detection Systemを使用し、細胞膜上の発現量を野生型と比較した。野生型と変異導入したNOTCH1 cDNAを挿入したコンストラクトを、HEK293T細胞及び、COS7細胞にトランスフェクションし、イルミノメーターでHiBiTの発光を測定した。いずれも発光強度が低かったため、細胞全体の発現量を確認したところ、有意に発光強度があがり、細胞内での発現量に両者に有意差はなかった。 NOTCH1とFLT4の複合ヘテロ接合性レアバリアントの組み合わせと先天性心臓流出路異常との関連を組織レベル・個体レベルで検討するために、Notch1およびFlt4ダブルヘテロ接合性ノックアウトマウスの作製を開始した。現在ヘテロマウス同士の交配で2回妊娠を確認したが出生した産仔にダブルへテロ接合性マウスは認めていない。今後もダブルへテロ接合性マウスの出生後生存を確認できなければ胎仔の観察を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共同研究先でのヘテロ接合性マウスの作製に時間がかかり、ヘテロ接合性マウス同士の交配が遅れた。現在もケージ数に制限があるため、交配数を限定して行っているため、時間がかかっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)全エキソーム家系解析およびゲノムバンクを利用した遺伝子パネル解析:先天性心疾患ゲノムバンクの心臓流出路異常全169例を対象にNOTCH1とFLT4を含む6遺伝子を載せた遺伝子パネルをすでに72症例は実施済みだが残りの症例を順次実施する。 2)NOTCH1ならびにFLT4の病的レアバリアントのin vitro分子発現機能解析:心臓流出路発生過程におけるFlt4の発現解析を胎生9.5日から胎生11.5日のマウス組織切片で実施。野生型ならびにバリアントのNOTCH1, FLT4 cDNAをHUVECなどの内皮細胞に発現させ、NOTCH1のfurinによるS1部位切断活性、Snailなどの下流シグナルの候補分子のルシフェラーゼアッセイ、VEGFR3とVEGFR2とのヘテロマー形成能、NOTCH1下流候補のSnailによるVEGFR3のルシフェラーゼアッセイを行う。 3)Notch1およびFlt4ダブルヘテロ接合性KOマウスを用いたex vivo, in vivo解析:ダブルヘテロ接合性KOマウスの胎生12.5日以降の心臓流出路形態を実体顕微鏡下ならびに組織学的に観察し、高分解能3DX線顕微鏡で三次元構築し異常の有無を検討する。さらにマウスの心臓流出路領域を切り出しex vivo組織培養を行い、上皮間葉転換活性を野生型と比較する。
|