Project/Area Number |
23K07321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
長谷川 潤一 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 教授 (80365775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 千夏 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (20836994)
古谷 菜摘 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (40963616)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 臍帯異常 / 脳性まひ / 胎盤異常 / 超音波診断 / 脳性麻痺 / 低酸素虚血性脳症 |
Outline of Research at the Start |
脳性麻痺の慢性的な異常による発症のひとつに、臍帯静脈血流の鬱滞に関連した胎児血栓性血管障害(Fetal thrombotic vasculopathy: FTV)がある。臍帯の血流障害を伴う臍帯異常では、鬱滞した臍帯静脈血で微小血栓が形成され、胎児循環で脳の微小血管に影響を及ぼす。同時に、臍帯静脈の鬱滞はその上流に位置する胎盤内の微小絨毛血管も障害する。本研究では、微細血流超音波ドプラ(SMI)などの新しいモダリティを用いて、FTVの胎盤、臍帯、胎児循環における病理所見を明らかにする。妊娠中にFTVを合併している可能性の高い児を検出し、出生児の速やかな対応に役立てる。
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Outline of Annual Research Achievements |
Fetal Vascular Malperfusion(FVM)は胎児血管灌流障害と呼ばれる臍帯循環の血流不全により病理的変化を来す疾患概念である。臍帯静脈の鬱滞で形成される微小血栓は、下流の胎児臓器(脳など)の微小血管だけでなく上流の胎盤に障害を引き起こし、児の神経学的後遺症、胎児発育不全や低酸素血症の原因となる。これらの病態は出生後の胎盤病理像をもって明らかになるが、我々は妊娠中からFVMを予測することを目指している。妊娠中の超音波スクリーニングで臍帯異常がある例に詳細なドプラ検査を行い、娩出胎盤に、無血管絨毛などのFVMの病理所見を有する例の臨床経過、超音波所見を検討した。FVMに関連した形態異常は、過長臍帯、臍帯過捻転、単一臍帯動脈、真結節があった。これらのcase seriesの胎内でドプラ所見は、臍帯静脈、幹絨毛の怒脹像、臍帯静脈流速、流量の低下している例を認め、臍帯静脈系の鬱滞所見を反映していると考えられた。さらには、胎児の中大脳動脈最高血流速度の上昇例があり、臍帯静脈流量の減少による代償性変化が疑われた。superb micro-vascular imaging(SMI)を用いた胎盤の低流速ドプラ所見としては、末梢の樹枝状絨毛の欠如がみられ、微小血栓による無血管絨毛の形成を捉えている可能性があると考えられた。臍帯異常による慢性的な臍帯静脈潅流異常に関連したFVMの病態は徐々に形成されると考えられる。急性の胎児機能不全を予測、管理することも重要であるが、臍帯異常に伴う慢性的な胎児・胎盤障害の程度を予測、管理することも意義があると考える。今後、胎児の神経予後との関連性について検討する必要があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子宮内で低酸素になる可能性のある臍帯異常例での超音波所見を得て、論文が出版されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画どおり、正常例、胎盤、臍帯異常例の超音波所見、血液所見、病理所見を集める。 a) 本研究におけるFTV診断のための病理所見を定義:各種臍帯異常があると超音波診断された例と正常例の分娩時に臍帯静脈血を採取し、血液の凝固状態(凝固一般検査、PT3、MMP-9、hs-CRPなどのバイオマーカー等)を比較し、本研究におけるFTVと診断するための基準を作成する。FTVの合併例の、臍帯異常の種類、胎盤・臍帯のマクロ所見、胎盤病理組織所見を明らかにする。これらの所見をFTV検出の病理マーカーとしてその後の検討を行う。 b) FTVの出生前超音波診断に関するコホート研究:臍帯の形態異常を超音波スクリーニングし、FTVに特徴的な病理マーカーを有するかどうかを、精密な超音波断層法、SMIによる出生前診断を行う。臍帯静脈系の鬱滞の程度を評価する胎児心機能、臍帯血流ドプラ評価を行う(ドプラマーカー:E/A, IRT, E/e’, CTAR, FS/EF, CO, MPI, UA-PI, UV, UVFV等)。分娩時に、臍帯静脈血を採血してFTVの有無を診断し、その検出に有用なSMIによる病理マーカー、ドプラマーカーを明らかにする。
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