Project/Area Number |
23K07389
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
岩本 英孝 旭川医科大学, 大学病院, 助教 (10596274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 賢治 旭川医科大学, 大学病院, 助教 (00736332)
水上 裕輔 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30400089)
小野 裕介 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院医学研究所, ゲノム診断研究部, 部門長 (40742648)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 自己免疫性膵炎 / ノンコーディングRNA / マルチレイヤー核酸解析 / バイオマーカー / リキッドバイオプシー / ノンコーディングRNA(ncRNA) / マルチレイヤ―核酸解析 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、複数の体液検体(血液と膵液)におけるncRNA発現とAIP臨床像との関連を明らかとする。AIPの病態理解や病勢評価に寄与するRNA情報を得て、精密診断やステロイド抵抗性、膵の内外分泌機能の廃絶といった患者予後の推定が可能かを検証する。さらに体液中に検出されるDNA変異を統合したマルチレイヤー核酸検出によって、膵癌との鑑別や発癌リスクの臨床的指標の基盤となる情報を得るとともに、病態機序解明へつなげる。
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Outline of Annual Research Achievements |
自己免疫性膵炎(AIP)の病態・病勢悪化の機序は未解明な点が多く、炎症性腫瘤を形成する場合には膵癌との鑑別困難例が存在し、発癌サーベイランスも重要課題である。我々はノンコーディングRNA(ncRNA)の膵発癌・進展に及ぼす役割、リキッドバイオプシー標的としての知見を発信してきたが、発癌の初期段階たる慢性炎症におけるncRNA発現の生物学的意義の検証が十分ではなかった。本研究では、複数の体液検体(血液と膵液)におけるncRNA発現とAIP臨床像との関連を明らかとする。また、AIPの病態理解や病勢評価に寄与するRNA情報を得て、精密診断やステロイド抵抗性、膵の内外分泌機能の廃絶といった患者予後の推定が可能かを検証する。さらに体液中に検出される、DNA変異を統合したマルチレイヤー核酸検出によって、膵癌との鑑別や発癌リスクの臨床的指標の基盤となる情報を得るとともに、病態機序解明へつなげることを目的としている。 現在、AIP及び慢性膵炎患者検体を収集しているが、未だ目標症例数に到達しておらず、引き続き研究への参加登録・検体採取を継続する。これまでの検討において、膵液・十二指腸液を用いたDNA変異解析の、組織における変異との一致率はそれぞれ約90%、50%という結果を得ている。特に膵液の組織変異一致率が高く、組織診を補完するためのリキッドバイオプシー標的としての有用性が期待できる結果となっている。また、膵癌患者の組織検体を用いたDNA変異解析の情報から、TP53遺伝子変異頻度が予後因子になり得る証左を得ている。現在、AIP及び慢性膵炎患者の膵液および組織検体を用いたncRNA発現・DNA発現解析を準備中であり、疾患活動性との関連や、膵癌との鑑別に関わる因子等について検証していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの検討において、膵液を用いた核酸解析体系の構築を完了している。現在、ncRNA発現およびDNA変異・発現量解析のため、AIPを含む慢性膵炎患者、膵癌患者、健常者の3群より検体を収集している。膵癌患者の検体は十分量集まっている一方で、慢性膵炎患者、健常者の検体はそれぞれ10例前後であるため、今後も継続的に収集を進める。解析に用いる検体は、次年度中を目途に目標症例数を収集できる見込みである。現時点で集まっている膵液・組織検体については次年度から解析を進める予定であり、本研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
回収した膵液検体よりcfRNA、EV RNAを採取・精製し、膵癌患者血中のncRNA発現についてデジタルPCRを用いて解析する。膵癌とAIPで発現に有意差のあるRNAを抽出し診断への有用性を検証するとともに、KRAS等のDNA変異解析も行い、RNA発現情報、臨床情報と併せて統合解析する。さらにFNAや膵切除検体からも同様に核酸を抽出し、膵液における変異・発現情報との比較・一致率の検討を進め、リキッドバイオプシー標的としての意義について検証する。
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