Project/Area Number |
23K07394
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 剛 東京医科歯科大学, 高等研究院, 特任助教 (20733900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 隆一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50451935)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / Reg3a / 創傷治癒 / IBD |
Outline of Research at the Start |
炎症性腸疾患は、消化管における「慢性炎症」と「難治性潰瘍」を起こす難病である。既存治療に無効で「難治性潰瘍」が残存する難治例が存在し「炎症の制御」と共に「創傷治癒能の促進」を実現する新規治療が必要である。Reg3aは炎症腸上皮において発現が亢進しているが、同疾患の病態にReg3aがいかなる意義・役割を有するかは明らかではない。本研究ではReg3a腸上皮特異的欠損マウスを作成し同マウスを用いた解析と申請者が独自に豊富に有する炎症性腸疾患患者検体を用いた解析を統合することで「腸上皮の上皮再生」においてReg3aが如何なる作用機序を持って創傷治癒促進に貢献しているのかその全貌解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)は原因不明の多因子疾患であるが、研究代表者グループは炎症性腸疾患の病態解明、新規治療開発を目指し、腸上皮の役割に着目した研究を行っている。Reg3aは炎症腸上皮で発現が亢進していることが明らかとなっているがその役割の詳細は明らかではない。そのためまずReg3aの腸上皮での作用機序の解明を目的に研究を開始している。研究代表者はReg3a腸上皮得意的欠損マウスを作成し、同マウスよりReg3a大腸上皮特異的欠損オルガノイド(Reg3aΔIECオルガノイド)を樹立した。同オルガノイドを用いてin vitroでReg3aの大腸上皮での機能解析を行った。まず同オルガノイドを用いたオルガノイド再構成試験により、大腸幹・前駆細胞の増殖能を検討した結果、Reg3aΔIECオルガノイドでは同機能の著しい抑制を認めた。一方でReg3aリコンビナント蛋白の投与によりReg3a欠損により抑制されていた増殖能の回復を認め、Reg3aは腸上皮に作用し増殖能に関与することが示唆された。また分子レベルで統合的にReg3aが如何なる細胞内作用機序を持って細胞増殖を制御しているのか解析を加えるため、野生型(fl/fl)、Reg3aΔIECオルガノイドをReg3aの添加の有無によりRNA-seqにより網羅的に遺伝子発現の比較検討を行ったところ特に細胞増殖、創傷治癒に関わるシグナル伝達経路に遺伝子変異を認めた。そのため創傷治癒能を検討するため大腸上皮オルガノイドを用いてwound healing assayを行ったところ、Reg3aリコンビナント蛋白投与により創部閉鎖時間の著名な改善を認め、Reg3aは大腸上皮に作用し増殖能を亢進させ創傷治癒能の改善に働くことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初計画通り、研究代表者等が初めて作成したReg3a腸上皮得意的欠損マウスから大腸上皮オルガノイドを作成し、Reg3aのin vitroでの腸上皮での役割を明らかとしている。今後in vivoの表現型解析も迅速に予定しており概ね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、Reg3a腸上皮特異的欠損マウスを用いてin vivoでのReg3aの機能解析を行う予定である。急性DSS腸炎、反復DSS投与による慢性炎症モデルなどの条件検討はすでに開始している。またヒト腸上皮オルガノイドを用いたin vitro機能解析も加える予定である。
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