Project/Area Number |
23K07413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
藤井 俊光 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (30547451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永石 宇司 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (60447464)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / JAKシグナル / Drug Delivery System |
Outline of Research at the Start |
JAK阻害薬はIBDにおいて高い寛解導入率を示し難治例である生物学的製剤不応例においても有効性が認められているものの、感染症や血栓症など全身性の合併症が問題となり安易な導入は回避すべき位置づけとなっている。我々はこのJAK阻害薬を腸管局所へ直接デリバリーさせる坐剤や注腸製剤といった経直腸投与の局所製剤を開発し、薬剤の全身への曝露を回避することで合併症リスクを低減させつつ、直腸を含めた遠位大腸の炎症の鎮静化、それによる臨床的寛解、QOLの改善、粘膜治癒の達成による発癌抑制、長期予後改善をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
JAK阻害薬はIBDにおいて高い寛解導入率を示し、生物学的製剤の不応例にも有効性が認められているにもかかわらず、感染症や血栓症など全身性の合併症が問題となり安易な導入は回避すべき位置づけとなっている。本研究で我々はこのJAK阻害薬を腸管局所へ直接デリバリーさせる坐剤や注腸製剤といった経直腸投与の局所製剤を開発することで、薬剤の全身への曝露を回避し合併症リスクを低減させつつ、直腸を含めた遠位大腸の炎症の鎮静化、それによる臨床的寛解、QOLの改善、粘膜治癒の達成による発癌抑制、また長期予後の改善をめざしている。そして当該期間に実施した研究結果から、以下のような成果が得られた。 1)JAK阻害薬の原末から、試験的な注腸剤を独自に調整することに成功した。2)次に正常マウスにおける毒性試験を行うにあたり、1回投与量や投与期間に関して多岐に亘るプロトコールを作成し、適切と思われるいくつかの条件を見出すことができた。3)そしてこれらのプロトコールを用いて野生型C57BL/6マウスにJAK阻害薬を注腸投与し、網羅的な病理学的解析を行った結果、血栓症や日和見感染、発癌性など想定された副反応を一切誘発しない最適な条件を見出すことに成功した。 これらの研究成果は、全身投与で想定されるようなJAK阻害薬の毒性は、その経直腸投与によって回避することが可能であることを示唆している。さらに現在、我々が見出した上記プロトコールに対して、より客観性を備えたデータを集積する目的で、single cell RNA seqによる網羅的解析を導入する準備を行っている。また、このプロトコールを用いたマウスIBDモデルにおける安全性試験や有効性試験の準備に着手しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IBDの病態に対しJAK阻害剤は有効性が確認されている一方、その重篤な副反応が大きな課題であり、Drug Delivery Systemの工夫によって難治例に対する安全で有効な新規治療薬が開発できる可能性に着目しているが、今回我々は独自のJAK阻害注腸剤を調整し、その適切な投与条件を見出し、そして想定された副反応を全て回避できる条件を確立できたことは大きな成果であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は我々が独自に調整したJAK阻害注腸剤とその投与プロトコールを用いて、これによる副反応の有無をさらに詳細に解析するために、single cell RNA seqによる網羅的解析を導入し各臓器・各細胞腫に与える影響を解析する予定である。また同プロトコールの安全性や有効性を客観的に評価するために、動物IBDモデルを誘発しその臨床および病理学的解析、フローサイトメトリー、サイトカイン測定、また免疫組織染色などを行う予定である。
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