Project/Area Number |
23K07454
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐々木 悠 山形大学, 医学部, 講師 (60466620)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 大腸癌 / 肥満 / メタボリックシンドローム / インスリン抵抗性 / RNA転写後調節 / RNAシークエンス / RNA修飾 / ナノポアシークエンサー / ABTB1 |
Outline of Research at the Start |
肥満のパンデミックは大腸癌増加の主因であるが、その発癌分子機序は不明な点が多い。最近、肥満関連大腸癌ではHuRの細胞質移行が高まり、ABTB1を主体に特定のmRNAsへの結合性が変化することを報告した。このHuRのRNA選択性に関わる機序やABTB1遺伝子の機能は未解明である。近年、環境や栄養因子に応じてエピトランスクリプトームが変化し様々な生命現象と関連が示されており、この変化は肥満関連大腸発癌の機序に含まれる可能性がある。そこで本研究では、代謝変調とエピトランスクリプトームの相互作用による新しい大腸発癌経路およびABTB1遺伝子の機能を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
肥満は飲酒・喫煙と共に発癌の重要な危険因子であり、これらは全世界の癌死の約50%を引き起こしていると報告されています。中でも世界的な肥満の増加は大腸癌の患者さんを急速に増加させています。この肥満関連大腸癌の発育進展には、インスリン抵抗性や高インスリン血症といった代謝異常を中核にアディポサイトカインやインクレチンの分泌異常、慢性低炎症状態、腸内細菌叢、膵酵素低下が関与することを明らかにしてきました。しかしながら、なぜ肥満が大腸発癌を導くのか、その分子機序はまだまだ分からないことが多いのが現状です。これを明らかにすることで大腸癌の新しい治療法や予防法を創出し、大腸癌を克服したいと考えています。 最近、この肥満関連大腸癌ではRNA結合蛋白HuRの核から細胞質への輸送が促進されることを発見しました。この細胞質内に増加したHuRと結合するmRNAsをRNAシークエンスで網羅的に解析したところ、様々なmRNAの結合性が変化することが分かりました。ここで着目したのが、細胞質で増加したHuRが単に標的mRNAsへの結合性を増加させるのみならず、結合を低下させるmRNAsがあることです。この標的mRNAの選択性は癌細胞の生存に有利な環境を導く一つの機序になっているのではないかと考えられます。そこで本研究ではRNA修飾状態に着目し、この機序を解き明かそうと考えています。またHuRとの結合が最も低下した遺伝子Aを同定しましたが、その遺伝子の大腸癌における役割は全く分かっていません。この点もこの研究で明らかにしたいと考えています。 今年度は大腸癌の組織、細胞株を用いて、mRNA修飾を検討しました。また塩基配列やその修飾状態を直接解読できる新しいシークエンサーを用い、代謝因子による大腸癌のmRNA発現と修飾状態の変化の解明に挑んでいます。遺伝子Aのノックアウトマウスの腸管における変化も解析しています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定どおりの解析を進め、大腸癌の細胞株や組織におけるRNA修飾状態の検討を予定どおり進めています。またナノポアシークエンサーによる解析も予定より少し前倒して開始しました。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き大腸癌の細胞株、組織を用いたRNA修飾の解析をすすめます。またナノポアシークエンサーによるダイレクトシークエンスからm6A修飾以外のRNA修飾の同定も試みます。標的遺伝子のノックアウトマウスを用いて、高脂肪食やDSS/AOM大腸発癌モデルにおいて、大腸の腫瘍発生にどのような影響があるかを明らかにします。
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