Project/Area Number |
23K07472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北原 秀喜 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (10436363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 浩之 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50533303)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 大動脈弁狭窄症 / 経カテーテル大動脈弁留置術 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、大動脈弁狭窄症の術前造影CT画像データから仮想3次元モデルを作成し、TAVI後及びTAV in TAV後の冠血流量を算出して冠動脈閉塞リスクを予測する技術を確立し、その情報をTAVIの手技方法の最適化に役立てるアルゴリズムを開発する。これにより致死的合併症を予測し、予防することができれば、大動脈弁狭窄症患者の長期的な予後改善に大きく貢献することが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
大動脈弁狭窄症に対して経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)を行った症例の術前造影CT画像を用いて、大動脈弁周囲の3次元画像モデルの作成を行った。解析ソフトは3D医用画像処理ワークステーション Ziostation2(ザイオソフト社)を使用し、作成した3次元モデルはSTLファイルとして抽出して血流解析に利用した。現在流体解析ソフトPHOENICS(CHAM社)を用いて、術前の冠血流速度・流量の算出を行う準備を進めてきた。まず2ヶ月間の試用体験版を導入し、セミナーの受講、解析のデモンストレーションを行った。トレーニングとして、簡易物理モデルの作成を行い、作成した物理モデルを用いて実際に流体解析を行い、目的とする解析が可能であることを確認した。さらに実際の造影CT画像から作成された3次元画像データから、左室流出路をInlet(入口)、上行大動脈及び左右の冠動脈近位部をOutlet(出口)に設定して、流体解析が可能かどうかの検証を行った。シミュレーションが可能である見込みは立ったため、現在ソフトウェアの具体的な購入・導入に向けて手続きを進めているところである。 術前3次元モデルから仮想TAVI後3次元モデルを作成する技術の確立については、術前3次元モデルの作成は上述のように進めており、モデルに組み込むTAVI弁の3次元画像データについては、本物のTAVI弁を静止した状態でCT撮影した画像データをもとに、Ziostation2を用いてTAVI弁の金属部分と人工弁部分の詳細な3次元画像データの作成を行っている。全ての種類のTAVI弁のデータを取得するにはもう少し時間がかかる見込みである。このデータを術前の実際の症例の3次元モデルに組み込んで仮想TAVI後3次元モデルを作成するのが次のステップとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大動脈弁狭窄症に対してTAVIを行った症例の術前造影CT画像から、3D医用画像処理ワークステーション Ziostation2(ザイオソフト社)を用いて、大動脈弁周囲の3次元画像モデルの作成を行った。左室流出路ー大動脈弁尖ーバルサルバ洞ー上行大動脈の壁構造および大動脈弁基部から大動脈弁尖の構造の3次元画像構築を行い、画像データはSTLファイルとして抽出し解析に利用した。血流解析については、物理モデルの作成とその解析についてトレーニングを積み、以下の①から⑤の手順で解析が可能となることを確認した。①入口と出口、障害物で構成された簡単な物理モデルの作成。②流体の物性や温度、流速などを設定。③障害物の属性や温度などを設定。④計算格子の設定を行い、反覆計算回数の設定などを行い、解析を開始する。⑤解析結果をもとに、流体の温度や流速、周囲圧力やずり応力などの計測を行う。この方法を用いて、実際の症例の3次元画像データから、左室流出路をInlet、上行大動脈及び左右の冠動脈近位部をOutletに設定して、流体解析が可能かどうかの検証を行った。 術前3次元モデルから仮想TAVI後3次元モデルを作成する技術の確立については、モデルに組み込むTAVI弁の3次元画像データを、本物のTAVI弁のCT撮像データをもとに作成しているところであり、全ての種類のTAVI弁のデータを取得するにはもう少し時間がかかる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、画像処理ワークステーション Ziostation2を用いて、大動脈弁周囲の術前3次元画像データの作成を進める。現在交渉中の流体解析ソフトPHOENICSの購入手続きを進め、長期的に解析に使用できる環境を整える。術前3次元画像データを使用して、冠血流速度・流量を解析する方法を確立する。収縮期(心位相30%)と拡張期(心位相70%)それぞれの位相で血流解析を行う。仮想TAVI後3次元モデルに組み込むための実際のTAVI弁の3次元画像データを取得する。術後CT画像から、自己弁尖の立ち上がりも含めたTAVI後3次元モデルの作成を行う。術前3次元モデルにTAVI弁の立体画像データを組み込み、TAVI後3次元モデルと比較検討することで、仮想TAVI後3次元モデルの作成方法を確立する。仮想TAVI後3次元モデルでの冠血流速度・流量を算出する。術前3次元モデル、TAVI後3次元モデル、仮想TAVI後3次元モデルそれぞれにおいて、冠血流速度・流量を算出し、比較検討する。 仮想TAVI後3次元モデルに、更にTAVI弁の立体画像データを組み込み、仮想TAV-in-TAV後3次元モデルを作成する。仮想TAV-in-TAV後3次元モデルでの冠血流速度・流量を算出する。術前、TAVI後、TAV-in-TAV後の冠血流速度・流量を比較して、冠動脈閉塞・冠血流障害をきたすリスクを評価する。冠血流量が25%以上減少する場合を「冠血流障害あり」、50%以上減少する場合を「冠動脈閉塞あり」と判断する。
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