Project/Area Number |
23K07504
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
勝谷 友宏 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (30311757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中神 啓徳 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座教授 (20325369)
林 宏樹 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座准教授 (20813364)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ワクチン / 心不全 / 治療ワクチン / 心線維化 |
Outline of Research at the Start |
超高齢化社会を迎えている我が国において、心不全による死亡率は増加しており、心機能の悪化に大きく影響を与える因子として線維化が知られている。心線維化の有効な治療法についてはまだよくわかっていない。心不全においてFibroblast Activation Protein (FAP)は活性化線維芽細胞に発現し、心線維化に関与していることが近年報告され、またその細胞を減少させることが心不全治療の有効なオプションとなりうる可能性がある。本検討においては、心不全におけるFAP発現線維芽細胞を排除する“細胞除去ワクチン”を開発し、心線維化を抑制する新たな心不全治療オプションとなる可能性について検討したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
我が国において心不全による死亡率は増加しており、心線維化は心機能の悪化に大きく影響を与える因子として知られている。Fibroblast Activation Protein (FAP)は活性化線維芽細胞に発現し、心線維化に関与していることが報告されている。本検討においてはFAP陽性細胞を細胞除去ワクチンにより減少させることができるか、心線維化が抑制できるかについて検証を行う。 これまでの検討においてワクチンによりFAPに対する抗体価が上昇することを確認している。FAPはDPP-4と相同性が高いため、ウエスタンブロットを用いて特異性を確認した。血清を用いて検討をおこなったところ、DPP-4には反応せず、FAPのみバンドが認められた。次に血清中からIgGを精製しFAPの酵素活性に対する中和能を測定したところ、傾向は認められたが有意な変化は認められなかった。これらよりワクチンにより中和活性には乏しいがFAPを特異的に認識できる抗体が産生されていることが示唆された。 FAPワクチンの心線維化への影響について検討を行った。ワクチン投与後に心不全モデルとしてAngiotensin II/Phenylephrineを浸透圧ポンプで持続投与を行い心不全を誘導させて、心線維化をピクロシリウスレッド染色を用いて評価した。その結果、心臓の線維化は抑制されていることがわかった。 安全性の検討として、ワクチン後に脾細胞を用いてELISPOTアッセイを行い、FAP特異的なT細胞の活性化が見られるかどうかを検討したところ、ワクチンのキャリアであるKLHに対しては活性化が見られたが、FAPに対しては活性化は認められなかった。これによりFAPワクチンでFAP特異的に反応するT細胞が誘導される可能性が低いことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ワクチン投与による心線維化への効果、特異的なT細胞の活性化への影響、ワクチンで誘導された抗体の中和活性の測定など重要な項目について検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
FAPワクチンによりFAP特異的な抗体が誘導され心線維化が抑制されることが示唆され、心機能を心エコーなどを用いて検討する。またFAPの発現についてウエスタンブロット、免疫染色などを用いて確認を行う。減少が認められれば、ワクチンで誘導される抗体を用いてADCC(抗体依存性細胞障害)活性、CDC(補体依存性細胞障害)活性をvitroの系を用いて検討する。 安全性の検討として、ワクチン後に各種主要臓器において病理的検討を行いワクチンによる組織障害の有無について検討する。FAP陽性線維芽細胞は創傷治癒においても重要であることが報告されているため、マウスの創傷治癒モデルを用いて治癒への影響を検討する。
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