Project/Area Number |
23K07522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡邉 哲 山形大学, 医学部, 准教授 (40359568)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | クローン造血 / 大動脈弁狭窄症 / Tet2 / 骨髄移植 / 石灰化大動脈弁狭窄症 / クローン性造血 / TET2 / inflammasome |
Outline of Research at the Start |
高齢人口の増加とともにAS患者が増加しているが、未だ有効な薬物療法はない。加齢により造血細胞の体細胞遺伝子変異が増加する。TET2などのエピジェネティック制御酵素をコードするドライバー遺伝子の変異は、クローン性造血cをもたらす。前がん状態と考えられるが、脳心血管疾患の発症と関係する。またTET2機能低下が遺伝子変異した単球・マクロファージの増殖を誘発し、NLRP3 inflammasomeを介する自然免疫が動脈硬化を促進することが示された。本研究では、TET2欠損骨髄移植によりクローン性造血が炎症を惹起し、石灰化大動脈弁狭窄症を促進する可能性について検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
高齢人口の増加とともに大動脈弁狭窄症(AS)患者が増加している。ASの危険因子は動脈硬化疾患と共通するが、半数のAS患者では動脈硬化疾患を有しておらず、未だ有効な薬物療法はない。加齢により造血細胞の体細胞遺伝子変異が増加することが知られている。TET2などのエピジェネティック制御酵素をコードするドライバー遺伝子の変異は、クローン性造血clonal hematopoiesis of indeterminate potential (CHIP)をもたらす。前がん状態と考えられるが、悪性血液疾患の発症頻度は低く、むしろ脳心血管疾患の発症と関係することが報告された。またTET2機能低下が遺伝子変異した単球・マクロファージの増殖を誘発し、NLRP3 inflammasomeを介する自然免疫が動脈硬化を促進することが動物実験で示された。本研究では、TET2欠損骨髄移植によりクローン性造血が炎症を惹起し、石灰化大動脈弁狭窄症を促進する可能性について検討を行う。血液疾患を有しない一般成人でも年齢とともにクローン性造血が増加し、70歳を超えると10%程度に認められる。これをmimicするモデルとして、Fusterらの方法に従い10% Tet2-/-細胞と90% Tet2+/+細胞を含むキメラ骨髄細胞を作成し、致死的放射線照射された8週齢のC57/BL6雄マウスに骨髄移植(10% Tet2-/--BMT)を行う。 Jackson laboratoryよりTet2ヘテロ欠損マウスを購入した。ヘテロ欠損マウスと野生型マウスで繁殖を行い、まずヘテロ欠損マウスを繁殖させた。今後、ホモ欠損マウスの作成が可能になる。理化学研究所よりCD45.1変異マウスの凍結胚を購入し、繁殖準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Tet2ヘテロ欠損マウスは、繁殖能力が低く、Jacksonラボの推奨通り、野生型マウスとの掛合わせで繁殖を行っている。ヘテロ欠損マウスは順調に繁殖させることができ、今後ホモ欠損マウスの作成が可能となる。CD45.1変異マウスはJacksonラボではなく、理化学研究所より購入が可能であったために、想定より安価にCD45.1変異マウスの凍結胚を購入することができた。現在、繁殖準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
骨髄部分再構成(10% Tet2-/--BMT)が末梢血細胞に与える影響を検討する。TET2機能低下は、造血幹細胞・前駆細胞(HSPC)のself-renewalを亢進することより、HSPC(lineage-, Sca1+, c-Kit+)の変化を確認する。また移植されたTet2-/-細胞の全血球系統への拡大について、フローサイトメトリーで確認する。TET2欠損マクロファージによるサイトカイン放出亢進を検討する。1)TET2欠損腹腔マクロファージに10 ng/mL lipopolysaccharide(LPS)+ 2 ng/mL interferon-γ(IFN-γ)刺激を行い、genome wide expression microarray解析(Affymetrix)を行う。さらにIL-1β、IL-6、TGF-βなどの発現をq-PCRで確認する。2)TET2欠損腹腔マクロファージとマウス大動脈弁間質細胞の共培養を行う。石灰化誘導培地または10 ng/mL TGF-β刺激を行い、弁間質細胞のBMP2やRUNX2の発現変化、石灰沈着について評価する。さらにhistone deacetylase (HDAC)およびNLRP3阻害薬の影響を検討する。
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