Project/Area Number |
23K07526
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
渡辺 陽介 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (90535551)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 心不全 / 老化 / 心臓線維芽細胞 / iPS細胞 / 再生医療 |
Outline of Research at the Start |
申請者は横行大動脈縮窄術(TAC)で作成された圧負荷により、高齢マウスでは肺水腫を伴う急性心不全をきたすことを発見した。さらに心臓組織のRNAシークエンスによる解析から、TAC後の心臓線維芽細胞の活性化が高齢マウスでは抑制されている可能性が示唆された。心臓線維芽細胞の老化が急性心不全の増悪要因となることが予想される。本研究では、心臓線維芽細胞の老化が急性心不全を惹起するメカニズムを解明する。また申請者は心臓線維芽細胞が移植可能であることを報告しており、iPS細胞やダイレクトリプログラミングにより、心臓線維芽細胞を再生し、老化による心不全に対する心臓線維芽細胞の移植による新規治療法の開発を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
老化した心臓線維芽細胞が急性心不全に与える影響を解明するべく、令和5~6年度では以下の項目につき明らかにする予定である。 ①活性化した心臓線維芽細胞・筋線維芽細胞の除去が急性心不全に与える影響の解析:ostnmcm・ROSA-DTAマウスにタモキシフェン投与し心臓線維芽細胞および筋線維芽細胞を除去した後にTACを施行し、これらの細胞が急性心不全に与える影響を解明する。Pomtnmcm・ROSA-DTAマウスでは横行大動脈縮窄術(TAC)後、1週間で急性心不全を来すことが分かり、活性化した心臓線維芽細胞および筋線維芽細胞は圧負荷後の急性心不全の抑制に必要であることが分かった。 ②若年マウス由来の心臓線維芽細胞移植が高齢マウスの急性心不全に与える影響の解析:若年マウス心臓由来の心臓線維芽細胞を、高齢マウスに移植し心不全を予防できるか検討する。心臓線維芽細胞の移植法を検討したが、現時点では直接注入以外の経静脈投与や動脈投与では心臓線維芽細胞が定着しないことが分かっている。 2.シングルセルRNAシークエンスを用いた老化による心臓線維芽細胞の解析: 若年マウスおよび高齢マウスにTACを施行し、1週間後に心臓をサンプリングした。得られた心臓サンプルに対し、10x genomics社のChromiumシングルセル遺伝子発現flex kitを用いてライブラリを作成し、シングルセルRNAシークエンスを行った。令和6年4月にシークエンスデータが得られ、現在結果を解析している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
活性化した心臓線維芽細胞・筋線維芽細胞の除去が急性心不全に与える影響の解析について、Postnmcm・ROSA-DTAマウスを用いた実験を行い、既に結果が得られている。若年マウス由来の心臓線維芽細胞移植が高齢マウスの急性心不全に与える影響の解析について、心臓線維芽細胞の移植方法を確立した。シングルセルRNAシークエンスを用いた老化による心臓線維芽細胞の解析について、既にシークエンスを終えており、現在結果を解析している。以上のように、予定してた実験を遂行出来ており、実験結果も順調に得られているため、研究はおおむね順調に進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
予定している以下の研究を遂行する。 心臓性線維芽細胞の再生と移植 ①iPS細胞からの心臓線維芽細胞の作製と移植:iPS細胞から心臓前中胚葉細胞、心血管前駆細胞、心外膜細胞を経て心臓線維芽細胞を作製できることが報告されている。理化学研究所バイオリソース研究センターよりマウスiPS細胞の提供を受け、マウスiPS細胞から心臓線維芽細胞を作製する。作製した心臓線維芽細胞の増殖能、筋線維芽細胞への分化能を若年マウスおよび高齢マウスの心臓から得た心臓線維芽細胞と比較する。さらには、高齢マウスに移植しTAC後の心不全を予防できるか検討する。 ②ダイレクトリプログラミングによる心臓線維芽細胞の作製:脂肪組織や皮膚組織、血球細胞由来の細胞からiPS細胞を経ずにダイレクトリプログラミングにより、心臓線維芽細胞を作製できるか検討する。間葉系幹細胞から線維芽細胞が分化することが報告されており、脂肪組織や皮膚組織、血球細胞から得られた間葉系幹細胞を用いて心臓線維芽細胞が作製できるか検討する。具体的にはPostnmcmマウスとCreリコンビナーゼ依存性にEGFPを産生するマウスを交配し、心臓線維芽細胞への分化がEGFPで視認できるマウスを作製する。このマウスを用い、間葉系幹細胞から心臓線維芽細胞への分化に必要な導入遺伝子をスクリーニングし、ダイレクトリプログラミングに必要な遺伝子を特定する。 その一方で、シングルセルRNAシークエンスのデータから予想していない実験結果が得られる可能性があり、その際は研究計画を変更し、新規性が高い方向へ研究を展開したいと考えている。
|