Project/Area Number |
23K07534
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
海北 幸一 宮崎大学, 医学部, 教授 (30346978)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 血栓形成能 / 末期腎不全 / 冠動脈疾患 / T-TAS / 併冠動脈疾患 |
Outline of Research at the Start |
近年、冠動脈疾患の抗血栓療法の有効性が強調される一方で、出血性合併症の増加が懸念されるようになった。経皮的冠動脈形成術(PCI)後の高出血リスク(HBR)の中で人工透析を要する末期腎不全は重要なHBR因子であるが、未だエビデンスが不足している。本研究では、総合的血栓形成能解析システム(T-TAS01)を用いて、末期腎不全合併冠動脈疾患例における血栓形成能を測定し、並行してvon Willebrand因子(vWF)マルチマー解析を施行することにより、出血発症機序、寄与因子の解明、血栓性、出血性合併症の予後予測との関連性を検証し、T-TAS01を用いた個別最適化医療の構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、冠動脈疾患、心房細動、静脈血栓塞栓症等の増加に伴い、抗血栓療法の有効性が強調される一方で、出血性合併症の増加が懸念されるようになった。学術研究コンソーシアム(ARC)による経皮的冠動脈形成術(PCI)後の高出血リスク(HBR)の評価基準(ARC-HBR)では、PCI施行例の約半数がHBR陽性であることが報告されている。その中で人工透析を要する末期腎不全は重要なHBR因子であるが、抗血栓療法に関する大規模臨床試験では除外基準となるため、エビデンスが不足している。本研究では、血栓形成能定量評価が可能な総合的血栓形成能解析システム(T-TAS01)を用いて、末期腎不全合併冠動脈疾患例における血栓形成能を測定し、並行してvon Willebrand因子(vWF)マルチマー解析を施行することにより、出血発症機序、寄与因子の解明、血栓性、出血性合併症の予後予測との関連性を検証する。本研究により末期腎不全合併冠動脈疾患におけるT-TAS01を用いた個別最適化医療の構築を目指す。 まず初年度は、T-TASの最新モデルであるT-TAS01の測定基準値を設定すべく、都城市郡医師会病院健康サービスセンターの健康診断受診者を対象に同意取得後、T-TAS01による血栓形成能(PL18-AUC30、AR10-AUC30)を測定し、基準値の算出と、T-TAS値の増減に寄与する因子の同定を行う。さらに冠動脈疾患患者、末期腎不全例と冠動脈疾患合併例に関しても、宮崎大学医学部附属病院および関連施設にて並行してT-TAS値を測定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
T-TASの最新モデルであるT-TAS01の測定基準値を設定すべく、都城市郡医師会病院および宮崎大学医学部附属病院の倫理委員会へ臨床研究計画書を提出し承認されたため、研究を開始した。対象は都城市郡医師会病院健康サービスセンターの健康診断受診者で、文書にて同意を取得後採血施行し、T-TAS01にて血栓形成能を評価している。2024年4月現在で176例が登録されており、進捗としてはほぼ順調である。2024年9月まで登録を継続する予定である。176例での中間解析では、T-TAS01の2つのパラメータの平均値は、PL18-AUC10値で374.6±54.5、AR10-AUC30値で1272.0±131.3であり、前機種であるT-TASplusと比較すると、PL18-AUC10値に関してはほぼ同様の値であったが、AR10-AUC30値に関しては低値であった。現時点で、PL18-AUC10値、AR10-AUC30値に影響を与える患者背景因子としては、BMI、糖尿病の有無、白血球数、血小板数等が有意な関連因子であった。2024年9月まで症例を蓄積し、最終的な解析結果を出す予定である。 上記に引き続き、宮崎大学医学部附属病院循環器内科に入院する冠動脈疾患患者に対しては、以前より倫理員会申請書類は承認されており、T-TAS01による血栓形成能測定は継続して行っており、データ蓄積中である。また、末期腎不全患者に関しては、宮崎県内の当科関連病院の血液透析患者を登録し、T-TAS01による測定を計画している。今後、倫理委員会への書類申請を予定している。当該患者における血栓性、出血性合併症等の予後に関しては、外来、診療録データからの情報収集または電話調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度に引き続き、本研究対象症例をエントリーし、目標数を達成するよう積極的なスクリーニングと同意取得を実施する。都城市郡医師会病院健康サービスセンターでの健康診断受診者の登録に関しては、順調に進んであるが、可能な限り期限までに多くの受診者の登録を推進する。冠動脈疾患患者に関しては、引き続き宮崎大学医学部附属病院循環器内科での積極的登録とT-TAS01による血栓形成能測定を継続する。また、末期腎不全で血液透析中の患者に関しては、宮崎大学とその他の関連施設での倫理委員会申請を進める。関連病院の申請業務をサポートし、可及的速やかな審査承認を促進する。並行してKick-off会議を行い、速やかな研究開始ができるようサポートする。また、定期的な各施設への登録状況の確認とデータベースの入力作業をサポートし、患者登録を促進する。十分な症例が登録された後、各患者群のデータベースを解析し、T-TASパラメータに影響を与える因子を同定する。さらに、各患者をフォローアップし、血栓性および出血性合併症を追跡調査する。これにより、血栓性および出血性合併症を予測できるT-TASパラメータ(PL18-AUC10値、AR10-AUC30値)のcut-off値を算出する。
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