Project/Area Number |
23K07553
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
岡本 貴行 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (30378286)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 血管壁硬化 / メカノトランスダクション / 炎症 / 動脈硬化 |
Outline of Research at the Start |
血管壁の硬化は動脈硬化の進行度と相関を示し、コレステロール非依存的な心血管イベントのリスク因子であることが報告されている。我々はこれまで血管の組織や細胞外環境の硬化がメカニカルストレスとなり、マクロファージの炎症性分化を促進することや血管内皮細胞の血管新生の抑制や炎症亢進を招くことを明らかにしてきた。本研究では、硬い細胞外環境下が血管内皮細胞に誘導するメカノトランスダクションの分子経路を明らかにする。また、本経路を介して血管内皮細胞に炎症などの過剰な活性化を生じ、機能障害を生じることを明らかにする。他方、本経路の制御によって、動脈硬化性疾患が抑制できるか検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化には炎症を中心としたアテローム性硬化とリモデリングによる動脈壁硬化の2種類の病態が存在し、これらの病態は相互に活性化している可能性がある。我々は動脈壁硬化が血管内皮細胞の炎症や血液凝固を活性化すると仮説を立てその検証を進めている。我々はKruppel-like factor 2(KLF2)が柔らかい基質で誘導される可能性を見出した。本研究では、この経路の分子実態を明確化し、制御することで血管内皮細胞の炎症や機能障害が改善するか検証を行うことを目的とする。 初年度では、2, 8, 64kPaの硬さのゲル上で不死化大動脈血管内皮細胞を培養し、腫瘍壊死因子(TNF-α)刺激を加えて遺伝子の発現を比較検討した。その結果、柔らかい基質でKLF2の発現増加が観察され、その下流の遺伝子である抗血液凝固因子のトロンボモジュリンの発現が増加した。また、TNF-α刺激でKLF2とトロンボモジュリンの発現は顕著に低下すること、および炎症性サイトカインの発現が増加することを定量的PCR法で明らかにした。次に炎症刺激時の細胞を用いてKLF2の上流の転写制御因子のmyocyte enhancer factor 2C (MEF2C)の細胞内局在を調べ、核内に移行することを示す結果を得た。 以上の結果から、MEF2C-KLF2経路が細胞外環境の硬さに応じて負に制御され、血管内皮細胞を向炎症性や向血液凝固性に誘導する可能性が示された。次年度では、細胞の機能変化を解析しつつ、これらをトリガーする因子の同定を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNA-seq解析による結果を定量的PCR法でも解析し、軟らかい基質上でのKLF2の発現増加が確認できた。また、本経路が既知のYAP経路と独立して制御されていることを示す結果も出ており、本研究課題は概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度では、MEF2C-KLF2経路が細胞外環境の硬さに応じて制御される可能性を見出した。次年度移行では、本経路を調節する仕組みの全容を明らかにし、その病態生理的役割を明らかにしていく予定である
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