血管内皮細胞の心臓特異性がもたらす動脈硬化リスクの解明
Project/Area Number |
23K07571
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
横山 真隆 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (20514871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 哲俊 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (10835226)
赤嶺 博行 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (30931315)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / メタボリックシンドローム / シングルセル解析 / 臓器異性 / アンジオクライン因子 / 臓器特異性 |
Outline of Research at the Start |
メタボリックシンドロームでは、動脈硬化は心臓に好発する。この原因について、申請者は血管内皮細胞の臓器特異性が関連していると考えた。本研究ではシングルセル解析を用い疾患発症リスクの心臓血管内皮特性を解明する。マウスに高脂肪食負荷を行い、①心臓と肝臓・脂肪・骨格筋から血管内皮細胞を単離しシングルセル解析(scRNAseq)を行う。②血管機能の一端を担う生理活性物質AngioCrine因子がどう変化するかを比較解析し、心臓での特性変化がどのような血管集団で起こるか解析する。③血管における慢性炎症は重要な病変進展要因であるため、血球細胞のシングルセル解析を同時に行い血管内皮細胞と連関するシグナル経路を解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本申請では、ストレス応答が不均一な血管臓器内構成の中から特定集団の分子発現変動を鋭敏に検出できるシングルセル解析(scRNAseq) を中心に解析を進め、臓器機能特性に加え疾患発症リスクの心臓血管内皮特性を解明することを目標としている。マウスに高カロリー食を負荷することにより肥満を惹起し、早期肥満モデル(3 ヶ月)と慢性肥満モデル(1 年)を作成するほか、加齢による生体負荷を誘導する。当初の計画において、①心臓と糖代謝に関わる臓器である肝臓・脂肪・骨格筋から血管内皮細胞を単離しシングルセル解析を行い②血管機能の一端を担う生理活性物質AngioCrine 因子がどう変化するかを比較解析し臓器特性変化がどのような血管集団で起こるか解析するとしていた。実際に、これまでのところ、単離血管内皮細胞scRNAseq のためのサンプル調整とシングルセル化、さらにcDNA化を経て次世代シークエンスによる解析にあてることができた。若年マウス・若年肥満マウス・加齢マウス・加齢肥満マウスの4群から、それぞれ心臓・肝臓・骨格筋・脂肪組織を採取し解析にあてた。これらをRをもちいたプログラミングにてSeuratパッケージを使用し分子発現の解析を行っている。ほぼ全容を掴むことに成功し、トランスクリプトーム解析・上流転写因子解析・シングルセルレベルでの分子機能解析・免疫染色によるvaridationがほぼ完結した。成果は、日本分子生物学会・日本循環器学会にて報告を行い、現在論文投稿のための執筆が完了した段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析に必要なサンプルマウスの飼育が順調に進み、当初予定していた1年の期間を経てシングルセル回収に成功した。さらに各臓器からの必要な細胞数の確保にも成功し、プログラミングによるシークエンス解析も順調に行えている。各種クオリティチェックに問題があったため、再解析の必要性に直面したが、予備的解析の結果とほぼ変わらず得られた知見は有用なものであった。まず、各臓器特異的な血管内皮細胞特性の抽出を行い、それを司る上流転写因子の絞り込みをおこなった。次に加齢負荷・肥満食負荷それぞれにおいて、臓器間の血管内皮細胞における共通的な分子変化と臓器特異的な変化にわけて解析が進められている。それぞれ司令塔となる転写因子の選別が終了し、免疫染色によって、その相違を確認することができた。さらに、シングルセルレベルでのパスウェイ解析を進めることができ、特異的転写因子ネットワークとの機能構築を分類することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
残る部分の解析として、大きく分けて 毛細血管系・動脈系にわけて分子発現の相違解析と炎症細胞との連関解析の部分である。前者については、これまで行ってきた解析と血管集団をわけて分解することにより早期に解決可能である。後者については、細胞集団の分布の違いが臓器間・ストレス間であり、解析できる細胞集団の偏りが問題となっている。ただ最も重要と考えていたマクロファージについては十分数採取できており、これらをCellChatと呼ばれるようなCell to Cell interaction解析を用いて重要な連関を明らかにする予定である。完了している部分はすでに論文投稿レベルの図表として完成しており、補足部分を追加し近日中に論文投稿する手筈としている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)