ナトリウム利尿ペプチド(NPs)は心肥大を促進しうるか
Project/Area Number |
23K07581
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
加藤 丈司 宮崎大学, フロンティア科学総合研究センター, 教授 (20274780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 敏博 宮崎大学, 医学部, 教授 (10389570)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | ナトリウム利尿ペプチド / 心肥大 / 循環調節因子 / ノルアドレナリン |
Outline of Research at the Start |
ナトリウム利尿ペプチド(NPs)は、降圧作用および心血管保護作用を有し、心肥大や線維化に対して抑制的に作用すると報告されている。一方、本研究代表者らは、血圧関連の動物実験の際に、ある条件下では、NPsが心肥大を促進する現象を「偶発的」に見出した。本研究では、NPsが心肥大を促進するならば、如何なる条件下で、心肥大促進作用が出現するかについて、動物実験および細胞培養実験により、その条件を特定する。そして、当該分野の重要なテーマ「NPsの心肥大に対する作用」に関する議論と理解の深化に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
【目的】ナトリウム利尿ペプチド(NPs:ANP、BNP、CNP)は、心肥大や線維化に対して抑制的に作用すると報告されている。一方、本研究代表者らは、ノルアドレナリン(NA)持続投与下では、NPsが心肥大を促進する現象を「偶発的」に見出した。本研究では、NPsが心肥大を促進するならば、如何なる条件下で、心肥大促進作用が出現するかについて、その条件の特定と機序の解析を目的としている。 【方法】ウイスターラットを用いて以下の8群を作成した:対照群、NA持続投与群 (NA群)、ANP持続静注群 (ANP群)、CNP持続静注群 (CNP群)、NA+ANP群、NA+CNP群、NA+ANP+プラゾシン経口投与群、NA+ANP+アテノロール経口投与群。投与期間は14日間であり、浸透圧ミニポンプを用いて、NAを持続皮下投与し、ANPとCNPを頚静脈に持続静注した。心重量 (HW)、心重量/体重比 (HW/BW)を計測して、組織標本により、左室の心筋細胞サイズとコラーゲン沈着を評価した。 【成績】投与開始後、NA群の平均血圧は約20 mmHg上昇し、ANPとCNP投与の血圧への影響はなかった。NA群のHWは軽度増加し、NA+ANP群とNA+CNP群のHWは、対照群やNA群と比較して有意に増加した。NA+ANPによるHW増加は、プラゾシンやアテノロールにより抑制された。HW/BWと心筋細胞サイズにも同様の変化が観察された。左室コラーゲン量には各群間で差はなかった。 【考察】NPsはNAの心肥大促進作用を増強した。この現象は、α1とβ1受容体を介しており、A型とB型NPs受容体のいずれのシグナルでも発揮されると推測される。本研究の結果は、NPsの心臓に対する作用は、必ずしも心肥大抑制の一元的な作用ではないことを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1.当該研究の成果について、英文原著1編(Peptides 2023)を発表し、国内および海外の学術集会にて、成果を発表した。2.当該研究実施の過程において、血圧変動性に関して新たな知見を得て、英文原著1編(Hypertens Res 2024)を発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.心肥大を生じる条件探索:1)NAに加えて、アンジオテンシンII(Ang II)等の心肥大促進因子とNPsの併用投与の効果を調べる。NPsの心肥大促進作用が確認されれば、以下の実験2)、3)に進む。2)組織学的解析:心室の組織標本を作製して、心筋細胞サイズを計測して、細胞肥大を定量する。シリウス赤染色により、線維化を定量する。3)分子生物学的解析:心筋組織中の肥大・線維化マーカー発現をPCRにて定量する:BNP、1型コラーゲン、TGF-β、α-smooth muscle actin(α-SMA)。 2.NPsの心肥大促進作用の機序解析: 2023年度の研究により、NA投与下でのNPsの心肥大促進作用が明確となったので、心肥大促進作用の機序を解析する。1)NPsのセカンドメッセンジャーとして、サイクリックGMP(cGMP)が知られているので、NA投与ラットを対象に、cGMPを上昇させる薬剤であるニトロ化合物の効果を観察する。2)NPsの一般的かつ主要な薬理作用は、利尿作用と血管拡張作用であるので、NA投与ラットにおける利尿薬または血管拡張薬の効果を観察する。 3.異なる動物種による解析:ラットを用いた研究1)にて、ポジティブな結果が得られた場合、同一条件にて、マウスで再現されることを確認しつつ研究を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)