Project/Area Number |
23K07596
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
前澤 裕子 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (00724923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 裕史 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00322024)
影山 貴弘 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40894267)
岩田 有史 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (90436353)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | アレルギー性気道炎症 |
Outline of Research at the Start |
気管支喘息の有病率は国内外ともに増加傾向にあり、病態の解明に基づく新たな治療法の開発は喫禁の課題である。一方で近年、神経免疫学の領域において神経組織による免疫制御機構が明らかとなってきた。そこで本研究者は副交感神経シグナル伝達に関わるニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に着目し、ヒト喘息モデルマウスを用いて、nAChRの各サブユニット、特にnAChRβ1サブユニット(β1nAChR)の喘息病態形成における役割について解明することを本研究の目的とした。さらに、喘息患者の肺におけるβ1nAChR発現と喘息の病態指標との関連についても解析し、喘息の新規治療基軸の確立を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
気管支喘息の病型で最も有病率の高いアレルギー性喘息の本態はアレルギー性気道炎症であり、その成立には各種血球系細胞および気道上皮細胞などが関与する。一方で近年、神経組織による免疫制御機構が明らかとなり、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)シグナルを介した局所炎症抑制の可能性が報告された。既報はnAChRを構成するサブユニットのうちα7nAChRを中心になされたが、マウス肺組織におけるnAChRサブユニットの網羅的遺伝子発現解析の自験データでは気道上皮および気道炎症細胞におけるβ1nAChRの発現を認め、気道においてβ1nAChRが何らかの機能的意義を有する可能性が示唆された。そこで、アレルギー性気道炎症におけるβ1nAChRの役割の詳細の検討、および喘息の病態形成におけるβ1nAChRの意義の解明を本研究の目的とした。 令和5年度は、まず第一に研究計画1のβ1nAChR受容体の構成サブセットの同定を行なった。具体的には、野生型B6マウス気道上皮細胞を単離し、細胞膜成分について抗β1nAChR抗体を用いた免疫沈降およびWestern blot法による共沈分子の解析を行い、β1nAChRとともにレセプターを構成するサブユニットの同定を試みた。次に、研究計画2として、アレルギー性気道炎症におけるnAChRβ1の発現と役割の解析を行なった。具体的には、研究計画2-1)野生型B6マウスの肺組織について免疫組織学的手法を用いてβ1nAChR発現細胞の局在解析を行い、合わせて肺組織の各細胞分画についてフローサイトメトリーによるβ1nAChR発現細胞の表面蛋白プロファイルの解析を行い、発現細胞の分類を行なった。さらに、研究計画2-2)HDM誘発性気道炎症モデルマウス肺組織を用いて研究計画2-1)と同様の手法で解析を行い、アレルギー性炎症肺組織と非炎症組織との比較検討を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である令和5年度においては、まず研究計画1として野生型B6マウス気道上皮細胞の細胞膜成分を利用したβ1nAChR受容体の構成サブセットの探索を行うとともに、研究計画2ー1)であるアレルギー性気道炎症におけるnAChRβ1の発現解析として、野生型B6マウス肺組織の免疫組織学的手法を用いた解析、およびフローサイトメトリーを用いたβ1nAChR発現細胞の表面蛋白のプロファイル解析と発現細胞の分類を行った。さらに研究計画2ー2)である抗原誘発性気道炎症におけるβ1nAChR発現細胞の解析についても順調に進行中であり、研究計画2ー3)の細胞特異的β1nAChR欠損マウスの作成についても進行中である。このことから、おおむね予定通りに進行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目である令和6年度においては、令和5年度の研究内容の継続として、研究計画2ー2)である抗原誘発性気道炎症におけるβ1nAChR発現細胞の解析を引き続き行う。具体的には、HDM誘発性気道炎症モデルマウスの肺組織を分離し、β1nAChR蛋白発現の解剖学的局在について免疫組織学的手法を用いて解析するとともに、肺組織の各細胞分画を単離しフローサイトメトリーを用いてβ1nAChR発現細胞の表面蛋白プロファイルを解析することで発現細胞の分類を行う。さらに、研究計画2ー2)で判明したβ1nAChR発現細胞のプロファイルについて、研究計画2ー1)の非炎症組織におけるβ1nAChR発現細胞のプロファイル結果と比較し、アレルギー性炎症がβ1nAChR発現細胞のプロファイルに及ぼす影響の詳細を解析する。また、研究計画2ー3)の細胞特異的β1nAChR欠損マウスの作成を継続し、樹立された系統についてHDM誘発性気道炎症を惹起し各細胞種におけるβ1nAChRの機能を解析する。
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