Project/Area Number |
23K07600
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
立原 素子 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (40448626)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽間 大祐 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (30894604)
山本 正嗣 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40542139)
永野 達也 神戸大学, 医学研究科, 講師 (80624684)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 肺がん / アナモレリン / 抗PD-1抗体 / anamorelin / ICI / lung cancer |
Outline of Research at the Start |
近年、がん悪液質治療薬としてアナモレリン塩酸塩が上市されたが、がん治療における最大の目的である生存期間の延長効果の有無やその作用機序は示されていない。肺がんは、がん悪液質を生じる代表的ながん腫であり、標準治療として免疫チェックポイント阻害薬(ICI)が用いられる。がん悪液質はICIの効果減弱因子であり、アナモレリン塩酸塩によるサイトカイン、及びそれらを分泌する免疫細胞の変化が、ICIによる抗腫瘍効果をも増強する可能性がある。本研究を通じてアナモレリン塩酸塩の作用及びその機序を明らかにすることで、さらなる予後の改善や新薬の開発に繋がることが期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
がん悪液質は有効な治療法の確立がこれまで希求されてきた。空腹時に主に胃から分泌されるホルモンであるグレリンは、食欲増進作用のみならず、抗炎症作用や、成長ホルモン(GH)分泌促進作用、筋蛋白質の分解抑制および合成促進作用などを持つことが明らかとなり、がん悪液質の改善効果が期待された。アナモレリンは、グレリンの活性部分に類似した構造をもちながら、半減期を延長させることで経口摂取可能となった世界初のグレリン様作用薬であり、グレリン受容体に作動して、脳下垂体ではGH産生、視床下部では食欲亢進に関与する。がん悪液質に対するアナモレリンの有効性に関しては、大規模な国際共同無作為第3相試験、および我が国で実施された無作為化第2相試験が行われ、体重や除脂肪体重(筋肉量)、食欲不振が統計学的有意に改善することが再現性をもって示された。一方、これらの試験においては、様々な治療を行った症例を対象としており、それぞれの治療法におけるアナモレリンの有効性と安全性は未だ明らかでない。 本研究では、C57BL/6マウスに対して、LL/2細胞をPBSで1×10の7乗/mLに調整した細胞液50μL(細胞数5×10の5乗個程度)を皮下注し、肺がん皮下移植マウスモデルを作成した。次に上記のLL/2皮下移植マウスに対し、抗PD-1抗体(200μg)の腹腔内投与の有無およびアナモレリン(0.6g)の経口投与の有無で4群に分け、抗PD-1抗体投与群およびコントロール群におけるアナモレリンの効果を検討した。また、経時的に測定した体重、Day22に3種麻酔下の筋肉量の指標として腓腹筋を採取して筋重量および筋線維断面積を測定した。また、運動能力の指標として、Day0(腫瘍細胞皮下注前)とDay22に強制水泳試験を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、肺がん皮下移植モデルマウスにICIおよびアナモレリンを投与し、アナモレリン非投与群と比較してがん悪液質や抗腫瘍効果の改善効果が得られるかを評価する予定であった。今後は数を増やして再現性も確認する。次年度以降には、同モデルにおいて、血中サイトカインや腫瘍内免疫細胞を比較し、上記のアナモレリンの効果の機序を明らかにする。また、血液検査を行い、ICI投与時のアナモレリンの副作用を解析する。さらに、臨床研究を立案し、マウスで示された結果をヒトでも確認するとともに、メタボロミクス解析により、さらに詳細なバイオマーカー探索を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
抗PD-1投与群で結果にばらつきが生じており、経口投与の手技によると考えている。安定した結果を得るため、餌に混ぜる方法も検討したが、抗PD-1抗体の必要量が増し、非常に高額になるため経口投与の手技を練習し、手技に習熟したところで、実験を再開する予定である。
|