Project/Area Number |
23K07604
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福山 聡 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50380530)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 伸展 / PCLS / ヒト初代高分化気道上皮シート / COPD / メカノバイオロジー |
Outline of Research at the Start |
COPDは進行性の経過を辿るが、その進行を強く制御する治療法は確立されていない。呼吸運動により、気腫とその周辺では複雑な機械的環境変化や軋轢が生じる。これら刺激の変調と細胞応答が、疾患の進行や難治化に深く関わっているが、メカノバイオロジーに基づく病態の解明は進んでいない。肺を数百ミクロン厚で薄切するPCLS技法が開発され、周期的伸展負荷をPCLSに施す実験系を用い、COPDモデルPCLSの組織・細胞が受ける機械的刺激とその応答を明らかにする。分化誘導した肺構成細胞でも検証し、病態の進行と難治化に重要な役割を担う標的分子を絞り込む。ヒト肺組織を用いた橋渡し研究を展開し、新たな治療の創出を図る。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、肺気腫を認めるマウス肺のPrecision cut lung slice(PCLS)作成のプロトコルを樹立した。C57BL/6マウスの肺をLow melting agaroseで固定し300μmで薄切し、培養液にエラスターゼ2.5μgを加え一晩刺激し肺胞腔の拡大を確認した。肺気腫モデルマウス肺のPCLSをシリコン容器に貼り付け、長径が+2mm~6mmなるよう伸展しDIC画像で肺胞腔の伸展を評価した。オープンソースソフトウェアNcorrを用いて伸展の程度、場所を解析できることを確認した。それによりエラスターゼ刺激肺気腫モデルPCLSでは、伸展による張力強度のばらつきが大きいことを見出した。またヒト初代高分化気道上皮シートをシリコン容器内に作成し、剥離しないで伸展できる条件を検討しプロトコルを樹立した。ヒト初代高分化気道上皮細胞をフィブロネクチンとコラーゲンでコーティングしたシリコン容器に播種し、約4日後コンフルエントを確認後、伸展装置で長径+2mm~6mmとなるよう4時間伸展する。これにより伸展刺激でヒト初代高分化気道上皮細胞のアクチン線維の方向が伸展の垂直方向に一定に並ぶことを見出した。さらに伸展後のPCLS、ヒト初代高分化気道上皮細胞をTRIzol内で懸濁し、RNA精製後qPCRを行い遺伝子発現解析が可能であることを確認した。タンパク質発現はサンプル量が少ないためウエスタンブロットによる解析が困難で、上清のELISAで評価することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請した研究計画の令和5年度施行予定項目である(a)PCLSに適用する周期的負荷の最適化条件の確立、(b)周期的負荷下のメカノセンサー動態解明を遂行した。また令和6年度施行予定の(c)メカノトランスダクションとアウトプット評価を順調に開始できているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書の実験計画通り、令和6年度は(c)メカノトランスダクションとアウトプット評価に注力する。各種分子のプライマー作成とqPCR、培養上清のELISA、蛍光免疫染色を行い、伸展および肺気腫による分子発現や局在の変化を評価する。またbulk RNA-seqを用いて伸展によるmRNA発現変化の網羅的解析も検討する。
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