Project/Area Number |
23K07698
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53040:Nephrology-related
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
野津 寛大 神戸大学, 医学研究科, 教授 (70362796)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | スプライシング / 核酸医薬 / エクソンスキッピング / アルポート症候群 / ファブリー病 |
Outline of Research at the Start |
私たちはすべての遺伝性腎疾患を対象とした網羅的遺伝子診断体制を確立し最近では年間500件を超える患者の検査を行っている。 本研究においては、遺伝性腎疾患を対象とし、病的バリアント(遺伝子異常により)スプライシング異常(mRNAが産生される過程における異常)による疾患発症メカニズムの全容の解明および核酸医薬を用いたスプライシング制御による治療法の開発を行う。特に私たちはAlport症候群に対する同治療法のの開発により本分野においては世界で先行している。本研究により遺伝性腎疾患におけるN-of-1 Trials(対象患者が1例であっても治療開発を行う)体制を日本国内で確立することを目的とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
1)スプライシング異常をきたしうる変異の同定およびその頻度の解明:保有する遺伝情報の中から、特に疾患を有するにもかかわらず変異が同定できなかった患者の遺伝情報を中心に、イントロン変異やサイレント変異およびその病原性が不明なミスセンス変異の中でスプライシング異常の可能性がある変異を検出し、スプライシング異常の頻度およびその重症度への影響に関して明らかにすることを目的として研究を進めている。令和5年度はファブリー病及びアルポート症候群においてイントロン内遺伝子異常が高頻度にスプライシング異常をきたすことを明らかにした(Clin Exp Nephrol. 2023、Clin Exp Nephrol.2023)。またWT1遺伝子に関しても同様の所見を認め現在投稿中である。 2)スプライシング異常発症機序の解明: minigeneや患者腎由来培養細胞を用いた解析系を用いて、スプライシング促進因子の発現調節を行い、その影響を調べることでスプライシング異常発生機序を解明する。令和5年度はアルポート症候群において、イントロン内バリアントによるスプライシング異常により新規のエクソンが産生される機序に関してスプライシング制御タンパクをノックダウンすることで改善することを明らかにした。現在投稿準備中である。 3)新規疾患特異的治療法の開発:すでに精通した手技を有しており、すべての遺伝性腎疾患を対象とした治療法の開発を行う。令和5年度は上記アルポート症候群に対してスプライシング制御による治療法の開発中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記研究実績の概要で記載した通り、1.ファブリー病及びアルポート症候群においてイントロン内遺伝子異常が高頻度にスプライシング異常をきたすことを明らかにした(Clin Exp Nephrol. 2023、Clin Exp Nephrol.2023)。またWT1遺伝子に関しても同様の所見を認め現在投稿中である。2.アルポート症候群において、イントロン内バリアントによるスプライシング異常により新規のエクソンが産生される機序に関してスプライシング制御タンパクをノックダウンすることで改善することを明らかにした。現在投稿準備中である。3.アルポート症候群に対してスプライシング制御による治療法の開発中である。 以上のように、研究は順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
その他の遺伝性腎疾患において、同様にスプライシング異常の関与に関して研究を進める。その中でスプライシング制御による治療法開発の可能性を検討し、可能な疾患では、低分子化合物、核酸医薬などによる治療薬開発に関して検討する。
|