DNM3os/miR-214による線維化・炎症の制御を介する糖尿病性腎臓病の病態制御機構の解明
Project/Area Number |
23K07708
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53040:Nephrology-related
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
村越 真紀 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60599249)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 晋二 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (70445568)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | マイクロRNA / 糖尿病関連腎臓病 / RAGE / 糖尿病性腎臓病 / 腎線維化 |
Outline of Research at the Start |
慢性腎臓病(CKD)の中で最も頻度の高い糖尿病性腎臓病(DKD)の治療の確立は重要である。DKDの病態生理には、腎血行動態の変化、酸化ストレスの増加、炎症などが関与している。すべての経路の組織学的レベルでの最終段階は線維化である。これまでに、DKDの進行を遅らせるために、臨床的に有用な抗線維化薬は開発されていない。miRNAは遺伝子発現転写後抑制因子として働く18-22ヌクレオチド長の小さな非翻訳RNA分子である。本研究では、私たちがこれまでに腎臓の線維化に関与すると報告してきたmiRNAの、新規DKD治療薬としての可能性を検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、miR-214が線維化や炎症の制御を介して糖尿病関連腎臓病(DKD)の病態をどのように制御するかを解明し、新たなmiRNAベースの創薬を開発することを目的としている。今年度に着手した研究内容は主に以下の2点である。1.メサンギウム細胞(MC)を用いた、miR-214による腎線維化および炎症の制御機構の解析。2.DKDモデルマウスを用いたmiR-214の治療効果の検証。 1.高ブドウ糖液下で培養した野生型MCまたはRAGEノックアウトMCに、miR-214mimicやAnti-miR-214をトランスフェクションし、線維化および炎症に関与するmRNAを定量的PCRで解析した。その結果、miR-214の過剰発現は線維化関連遺伝子や蛋白の発現低下を引き起こし、RAGEノックアウトMCではmiR-214のノックダウンが線維化関連遺伝子の発現を上昇させることが示された。これにより、miR-214がMCにおいて抗線維化作用を持つことが示唆された。さらに、miR-214の標的遺伝子をWebに公開されているデータベースを用いて探索し、RAGE経路のエフェクターであるDiaph1に着目してその発現を調べた。miR-214を過剰発現させた場合、Diaph1の遺伝子および蛋白の発現は低下したが、miR-214をノックダウンするとDiaph1の遺伝子発現は上昇した。さらに、miR-214の結合部位を含むルシフェラーゼ活性アッセイにより、miR-214がDiaph1を直接的に標的としていることを確認した。 2.DKDモデルマウスに高ショ糖高脂肪食の負荷を8週間与え、食事負荷開始4週間後にマウスを2群に分けてmiR-214疑似薬または非標的薬を投与する予定であった。しかし、8週間の観察期間では糖尿病の程度が強く、約2/3のマウスが水腎症を発症した。そのため、観察期間を4週間に計画を変更している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、食事負荷開始4週間後でマウスを2群に分け、miR-214の疑似薬または非標的薬を核酸導入試薬を用いて投与する計画であった。しかし、8週間の観察期間では、糖尿病の病態が予想以上に進行し、約2/3のマウスが水腎症を発症していた。そこで、観察期間を4週間に変更する必要があったため、疑似薬や非標的薬を投与できておらず、その評価も進まなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.糖尿病患者におけるDKDバイオマーカーとしてのmiR-214の評価解析:1つのmiRNAは複数(数百程度)の標的遺伝子を同時に発現制御し、また、1つの遺伝子は複数のmiRNAにより制御を受けている。そのためmiR-214だけではなく、糖尿病患者の血中miRNAの発現パターンをmicroRNA Arrayを用いてプロファイリングし、AIを活用したデータ解析手法を検討している。 2.メサンギウム細胞のin vitroモデル系におけるmiR-214の宿主遺伝子Dnm3osの腎線維化・炎症の制御機構の解析:高ブドウ糖液下で培養されたメサンギウム細胞にアデノウィルスベクターを用いてDNM3osを過剰発現させた後、RNAを抽出し、線維化および炎症に関与するmRNAを定量的PCRで解析する。また、ChIPアッセイと次世代シーケンシングを組み合わせて、DNM3osと結合する核内蛋白を同定し、DNM3osの糖尿病状態における関与をさらに解析する。 3.糖尿病モデルマウスのin vivo系におけるmiR-214の治療効果の検証:引き続き糖尿病モデルマウスを2群に分け、miR-214の疑似薬または非標的薬を核酸導入試薬を用いて投与する。4週間の投与後にマウスを安楽死させ、腎組織や血液、尿を採取する。腎組織におけるmiR-214の発現変化およびin vitroで同定した標的遺伝子Diaph1および線維化・炎症性関連遺伝子または蛋白の発現レベルを定量する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)