Project/Area Number |
23K07722
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53040:Nephrology-related
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
鮎澤 信宏 杏林大学, 医学部, 助教 (50459517)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 高血圧 / 腎尿細管 / pendrin / ミネラルコルチコイド受容体 |
Outline of Research at the Start |
腎遠位ネフロンにおけるNaCl再吸収は高血圧性疾患発症に関与する。最近、皮質集合管β間在細胞に発現するpendrinがNaCl再吸収に関わることが示された。これまで我々はレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系亢進時にはミネラロコルチコイド受容体を介してpendrin活性化が起きること、そしてこの機序が特に既存の利尿薬による治療に抵抗性の病態の形成に関わることを見出した。また、これら病態では遠位ネフロンのリモデリングが関わることも示唆された。本研究では、様々な高血圧性病態においてpendrin活性化機序とその意義を解明するとともに、遠位ネフロンのリモデリングを解析し、その意義を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまで我々は、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)亢進時には、ミネラロコルチコイド受容体(MR)を介して、腎β間在細胞における新規NaCl再吸収関連因子であるpendrinが制御され、腎でのNaCl再吸収や血圧制御に関わることを示してきた。また本経路の活性化が、特にサイアザイド利尿薬による治療に抵抗性の高血圧や心不全の病態形成に関連する可能性が示唆され、その証明に取り組んでいる。 これまでの実験では人工的なRAAS亢進モデルにおける解析を行って来たが、本年はより実際の病態に近いモデルでの解析に取り組んだ。まず非開胸大動脈弓部縮窄術による圧負荷性心不全モデルの作成を行い、既報の通り心肥大や線維化、心不全を生じることが確認できた。本モデルにおいて腎β間在細胞pendrinの発現変化を確認するとともに、サイアザイド投与による心表現型や腎β間在細胞pendrinの発現変化を解析中である。 なお、これらpendrin制御が起こる状況では、細胞内のpendrin発現量・局在変化などに加えて、β間在細胞を含む遠位ネフロン全体の細胞種比や長さの変化が起こることも明らかとなっている。このリモデリングを明らかとするため、人工的RAAS亢進モデルや上記の圧負荷性心不全モデル、さらに代謝性アルカローシスモデルなどの腎組織標本を用いて、免疫染色により細胞種比などの変化の解析を開始した。研究者による各細胞種のカウント、標識を行っている(既存モデルについては想定の変化が確認された)。それを教師データとしてU-netによる自動解析を行うため教師データの蓄積中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
侵襲を減らすため、非開胸での大動脈縮窄術による圧負荷性心不全モデルの作成を行ったが、習熟にやや時間を要した。また想定する表現型を得るまでにかかる期間の確認などのために予備実験を要したため、該当実験がやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のように非開胸大動脈弓部縮窄術による圧負荷性心不全モデルにおいてサイアザイド投与による腎β間在細胞pendrinの発現変化を引き続き解析する。またRAAS亢進時やサイアザイド投与時における腎β間在細胞pendrin制御にはMR活性化や低カリウム血症性代謝性アルカローシスが関与することが示唆されており、圧負荷性心不全モデルにおいてこれら経路の関与を示すためMR経路遮断や低カリウム血症・代謝性アルカローシスの補正などの介入を行い、腎β間在細胞pendrinの発現変化を解析する。 また、前述のように人工的RAAS亢進モデルや圧負荷性心不全モデル、さらに代謝性アルカローシスモデルの腎組織標本において、研究者による各細胞種のカウント・標識を行い、教師データが蓄積したところでU-netによる自動解析モデルの作成を行う。 なお、昨今心不全や慢性腎臓病の臨床で使用されるようになったSGLT2阻害薬は、近位尿細管に作用してNa・グルコース利尿を起こし臓器保護作用を示すが、本薬も時間と共に遠位ネフロンのリモデリングを起こす可能性が示されている。高血圧性疾患動物モデルにおいてSGLT2阻害薬による遠位ネフロンリモデリングを評価する。
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