Project/Area Number |
23K07740
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53050:Dermatology-related
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小川 陽一 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (20377542)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | ヒト表皮 / 自然免疫 / NK細胞 / 自然免疫系細胞 / 自然免疫細胞 |
Outline of Research at the Start |
ヒト表皮にランゲルハンス細胞, resident memory T細胞といった獲得免疫系細胞だけでなくNK細胞, 自然リンパ球 (ILC)といった自然免疫系細胞が存在するか明らかにし、その機能を検討する. ヒト表皮に自然免疫細胞が存在した場合、表皮は真皮と独立してウイルスや悪性腫瘍に対する免疫を発動しうることとなり、皮膚免疫の概念が変わる可能性がある.
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒト皮膚の真皮にナチュラルキラー細胞 (NK)や自然免疫細胞 (ILC)が存在することが知られているが、表皮にNKやILCといった自然免疫系細胞が存在するかは検討されていない。正常ヒト皮膚を酵素処理により表皮と真皮に分け、それぞれを2日間培養液中に浮遊させ落下してきた細胞をフローサイトメトリーで解析した。 CD45+CD3-分画において、真皮のみならず表皮にも、CD94+CD127- NK, CD94+CD127+ cytotoxic ILC (cyto ILC), CD94-CD127+ convenstional ILC (conv ILC)が存在し、この3分画の中ではconv ILCの割合が他2群と比較して有意に多かった。 次に共にNKマーカーであるCD94が陽性であるNKとcyto ILCの異同性を確認するためにNKの発生・分化に重要な転写因子であるEomesの発現を確認したところ、NKではcyto ILCと比較して有意に発現が高かった。このことはNKとcyto ILCは異なる細胞分画であることを示唆する。 次に3群の自然免疫系細胞の局所でのresidencyを評価した。表皮、真皮の自然免疫系細胞はCLA, CD69を高発現していた。また、CD69陽性細胞中のCD103+CD49a+細胞は表皮NKにおいて真皮NKより有意に多かった。このことは、表皮NK細胞は強い組織常在性を有することを示唆する。 最後に細胞傷害性分子の発現を評価した。表皮NKは他2群に比較して有意に高いperforin発現を示し、一方でcyto ILCは他2群に比較して有意に高いTRAIL発現を示した。 以上のことから正常ヒト表皮には細胞傷害性を有するNKやcyto ILCといった自然免疫系細胞が存在することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では形成外科手術で破棄される正常皮膚が必要だが、想定より正常皮膚がコンスタントに手に入ったため、当初の計画以上に研究が進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
正常ヒト表皮に細胞傷害分子を有する自然免疫系細胞が存在することが明らかとなったので、今後はその機能について解析を行う。ヒト表皮には有棘細胞癌や悪性黒色腫の表皮内病変が発生し、steady-stateの状況で自然免疫系細胞はこういった"異物"に対して細胞傷害性を発揮するものと考えられる。したがって、当科で樹立したヒトメラノーマ株と自然免疫系細胞を共培養し、実際に細胞傷害性を示すか確認を行う。細胞傷害性が確認されれば、どういった細胞傷害分子あるいは細胞傷害シグナルが重要であれか検討を行う。また、これまでの解析は全てフローサイトメトリーでの解析であるため、蛍光抗体法にて正常皮膚や炎症性疾患、悪性腫瘍などの検体で自然免疫系細胞の数的差異を確認する。
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