Project/Area Number |
23K07776
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53050:Dermatology-related
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
安澤 数史 金沢医科大学, 医学部, 助教 (70399004)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | スポロトリコーシス / スポロトリクスシェンキー / スポロトリキン |
Outline of Research at the Start |
スホポロトリコーシスは世界各地で見られる深在性真菌症であるが、病理学的、真菌学的に同定が困難な場合が多い。長年その補助診断として、スポロトリクスシェンキーの培養抽出液を患者皮膚に接種し皮内反応をみる「スポロトリキン反応」が用いられてきたがその反応を生じるメカニズムは不明である。当科は国内で唯一スポロトリキン反応液を作成してきた施設であるが、倫理的な観点からも今後は人体に接種しない新たな診断方法が必要である。本研究では「スポロトリキン反応」における抗原同定と、スポロトリコーシスの新たな体外診断システムを開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
スポロトリコーシス既感染者の血液から末梢血単核球を分離し試験に供するために、本学の再生医療学の先生方の協力のもと末梢血単核球の分離, 分離細胞の保存・維持管理、細胞の取扱いと調製の方法などについて習い方法を確立した。また, 分離細胞から産生されるサイトカインを定量的に検出することのできるELISpot assayについても検出まで幾度か習うことができ、現在実際に使用を予定しているIFN-γや IL-17を検出できるELISpot assay kitを用いることができた。これまで当科および私自身が細胞を実験に用いる機会がそれほど多くなく, 基本的な細胞の取り扱いから学ぶことができ、結果として実際に使用する細胞分離や培養培養の環境の整備、採血管など必要な消耗品, またELISpot assay kitを具体的に決定することができた。今回の研究に最低限必要な細胞の取扱いについて方法を確立できたと考えている。 細胞に反応させる抗原となるスポロトリキンに関しては、これまで作製に用いてきたスポロトリクスシェンキー株が海外株であったことから、本邦分離のスポロトリクスシェンキー株と本邦での主要な原因菌であるスポロトリクスグロボーザ株を追加し新たに作製を行った。スポロトリキン作製には3週間程度の乾燥行程を含み全工程で1ヶ月以上の期間を要すが, 凍結乾燥など乾燥行程の短縮を同時に試みてきたが, その評価方法が末梢血単核球を用いた結果と関連するため今後の評価を待つこととなる。今後は作製した各スポロトリキンを用いた二次元電気泳動を実施し, 抗原性物質として報告の存在するグルコプロテイン70の有無から調べていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
血液からの末梢血単核球の分離等、細胞を用いた実験における手技の構築に関しては概ね順調に進捗していて問題はないと考えている。使用する機器、消耗品等の物品の選定も予定通り行えている。またスポロトリキン中に存在する抗原に対する解析に関しても時間のかかる作製部分は問題なく稼働しており、また電気泳動のシステムもすでにほとんど整っていて抗原の解析を実施していくことができる状況にあると考えている。ただ、スポロトリコーシス既感染者の末梢血単核球を用いた研究を行うための倫理申請が現在遅れているために、実際に細胞を用いた試験が行える状況にいたっていない部分で少し遅れていると感じている。この点はスポロトリキン中の抗原の評価と関連しているために速やかに進めていく必要があると感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
速やかに倫理申請を完了させるとともに, 実際にスポロトリコーシス既感染者の末梢血単核球を用いたスポロトリキンに対するELISpot assay を実施する。その結果としてサイトカインの上昇が見られるようであれば、それをもとにスポロトリキンの評価やスポロトリキン中の抗原の絞り込みを行う。その際の患者は当院においても確保できると現時点で考えているが, もともと非常に稀な疾患であり数としては非常に限られることが推測できる。そのため他施設と協力して検体を得ることのできるような体制の構築を同時に目指していく。
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