Project/Area Number |
23K07815
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
一戸 辰夫 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (80314219)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 免疫細胞創薬 / ゲノム編集 / T細胞 / TALEN / 遺伝子導入 |
Outline of Research at the Start |
ゲノム編集技術の急速な発展は、21世紀の生命科学をあらゆる領域で革新しつつある。特に医療への応用は強く嘱望されており、国際的には、すでにゲノム編集を行った自家・同種ヒト細胞による臨床試験が開始されているが、わが国における開発はいまだに十分な展開を迎えるに至っていない。申請者は、国内で開発されたゲノム編集ツールであるPlatinum TALENの活用により、所望のTCR遺伝子をヒト初代T細胞に導入可能な画期的な技術の開発に成功した。本研究ではこの技術をさらに発展させ、安全性・有効性に優れた次世代型ゲノム編集T細胞を作出する方法を確立するとともに、その品質評価を行う基盤技術の開発を目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究においては、まず健常人由来初代T細胞に対してPlatinum TALEN mRNAを導入するための最適なエレクトロポレーションの条件を検討した。5’-側にCap-1構造を有するTCRα鎖遺伝子切断用TALEN mRNA(TRAC-TALEN)ならびにTCRβ鎖切断用TALEN mRNA(TRBC-TALEN)の化学合成を米国TriLink社に依頼し、標準型(S型)およびN1-methyl pseudo uridineを用いた改変型(M型)2種類の活性を検討したところ、いずれも、おおむね70%以上のTCR遺伝子切断効率を達成可能であることが確認された。したがって今回の研究では、標準型mRNAを用いて開発を進めていくことを決定した。 次いで、直鎖一本鎖DNA(ssDNA)を相同配列依存的修復(HDR)を利用して、TCRα鎖切断点に所望のTCR遺伝子発現カセットをオン・ターゲット挿入する方法(TAL-HDR法)の最適条件を検討した。健常人末梢血由来のT細胞を用いる場合、培養開始後72時間のCD3/CD28ビーズ刺激を行った後、TCR切断用TALEN mRNAとneoTCR発現用ssDNAを同時にエレクトロポレーションすることにより、再現性良く、1-5%程度のneoTCR発現細胞を得ることが可能であることを見出した。また、作出されたneoTCR発現細胞は80%以上のviabilityを示し、IL-2存在下で容易に増殖可能であることも確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回、ゲノム編集型T細胞の製造を行う上で、もっとも重要なステップであるPlatinum TALEN mRNAの合成に成功し、その初代T細胞への適切な導入方法を確立できたことは本研究の重要なマイルストンの達成といえる。また、相同配列依存的修復機構を用いたssDNAの使用により、neoTCRの導入が再現性高く実施できるようになったことより、作出されたゲノム編集T細胞の詳細な解析を行うことが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
TAL-HDR法によって作出したゲノム編集型TCR-T細胞の特性解析を行う。導入するneoTCRとして、がん精巣抗原であるNY-ESO-1をHLA-*02依存的に認識する1G4クローンを用いて、培養各時期における疲弊マーカー(PD-1, TIM-3)の経時的発現、、増殖能・サイトカイン産生能の評価に加え、NY-ESO-1を発現する腫瘍細胞株を標的としたin vitro細胞障害活性の評価を行う。また、作出したゲノム編集TCR-Tの拡大培養技術を確立する。
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