Project/Area Number |
23K07851
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
青山 和正 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 助教 (50734266)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ポリコーム抑制複合体(PRC) / エピジェネティック制御 / 遺伝子発現制御 / 造血器腫瘍 / 骨髄異形成症候群(MDS) / 癌 / 創薬研究 / 次世代シーケンス / シグナル伝達 |
Outline of Research at the Start |
EZH1あるいはEZH2を酵素サブユニットとするポリコーム抑制複合体2は、抑制性のヒストン修飾であるH3K27me3を修飾することで遺伝子発現を制御するタンパク質の複合体である。EZH2の機能低下が、前白血病である骨髄異形成症候群(MDS)において高頻度に認められる。申請者らはEZH1による「残存H3K27me3」が、EZH2機能低下型MDSの維持に必須であることを明らかにした。しかし、「残存H3K27me3」に関する詳細な分子機構は明らかではなく、有効な治療法も確立されていない。本研究では、「残存H3K27me3」の維持を担うタンパク質を同定することで、MDSの新規創薬標的を見出す。
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Outline of Annual Research Achievements |
EZH1あるいはEZH2を酵素サブユニットとするポリコーム抑制複合体2(Polycomb Repressive Complex 2, PRC2)(それぞれEZH1-PRC2、EZH2-PRC2とする)は、H3K27me3修飾を介して遺伝子発現を抑制する。骨髄細胞の異形成を特徴とする骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome: MDS)では、PRC2の機能低下が高頻度に認められている。我々の研究により、PRC2機能低下型MDSにおいて残存H3K27me3が必須であることを見出した[Aoyama et al., iScience, 2018;Aoyama et al., Leukemia, 2021]。本研究では、PRC2機能喪失型MDSにおける残存H3K27me3の制御機構の解明及び、新規創薬標的分子の同定を試みている。2023年度、近位依存性ビオチン化酵素を用いたプロテオーム解析とCRISPRノックアウトスクリーニングにより、その制御機構に関わる分子を複数同定することに成功した。バリデーションの結果も良好であった。さらに、CRISPR-Cas9システムにより同定した分子のノックアウト細胞を樹立し、次世代シーケンス解析を用いて、残存H3K27me3を触媒するEZH1-PRC2に与える影響を解析した。クロマチン免疫沈降シークエンス(ChIP-seq)をおこなったところ、同定した分子のノックアウトはEZH1のクロマチンからの解離を引き起こすことがわかった。また、RNA-シークエンス(RNA-seq)の結果から、EZH1のクロマチンからの解離は、近傍の標的遺伝子の発現の抑制を解除することもわかった。以上から、同定した分子は、残存H3K27me3の制御に重要で、有力なPRC2機能喪失型MDSに対する創薬標的分子であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2023年度、近位依存性ビオチン化酵素を用いたプロテオーム解析及びCRISPRノックアウトスクリーニングを行い、残存H3K27me3制御機構に関わる分子を複数同定することに成功した。それらの分子に対するバリデーションの結果も良好である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度同定した分子と残存H3K27me3及びPRC2機能喪失型MDS病態との関係を解析し、創薬標的としての可能性を検証する。
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