Project/Area Number |
23K07854
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西尾 美和子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (30623318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 文子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70359678)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 慢性活動性EBウイルス病(CAEBV) / EBウイルス / iPS細胞 / 免疫異常 / EBウイルス抗体 / ヒト化モデルマウス |
Outline of Research at the Start |
慢性活動性EBウイルス病 (CAEBV) は、ごくありふれたEpstein-Barr virus (EBV) がTもしくはNK細胞に感染し、活性化、腫瘍化するリンパ増殖性疾患である。これまでに宿主側の何らかの免疫異常の存在が疑われてきたが、なぜ一部のヒトでのみCAEBV発症に至るのか、未だ明らかにされていない。 既に作製したCAEBV患者由来iPS細胞を用いてヒト化マウスモデルを作製することで、CAEBV患者の血液、免疫状態を再現する。さらに世界で初めてCAEBV発症を実証したCAEBV発症モデルを作製する。発症背景にある宿主側の免疫異常が明らかにし、新規治療法の開発に寄与することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
慢性活動性EBウイルス病(CAEBV)は、これまでに宿主(ヒト)側の何らかの免疫異常の存在が疑われてきた。しかし、なぜ一部のヒトでのみCAEBV発症に至るのか、未だ明らかにされていない。 そこで、宿主(ヒト)側の免疫学的異常を明らかにするために、日本全国調査のデータを用いて、84名のCAEBV患者のEBV抗体価および臨床的特徴との関係をレトロスペクティブに検討した。 CAEBV患者では末梢血中の抗EBウイルス抗体価と陽性率に異常が認められ、特にCAEBV患者の抗EBNA抗体価は健常人対照群と比較して有意に低く、抗VCA-IgG抗体価は有意に高かった。抗VCA-IgG抗体価と抗EA-IgG抗体価が高値の患者は、低値の患者よりも3年生存率が有意に良好であったことから、CAEBV患者はEBウイルス感染細胞に対する免疫反応が低下していることが示唆され、論文報告した (Front. Microbiol. 14:1320292.)。 さらに、CAEBV患者の末梢血単核球から初期化因子を搭載したセンダイウイルスベクターを用いてCAEBV患者由来iPS細胞を順次樹立しており、作製した疾患iPS細胞を用いて単球や血管内皮細胞への分化誘導も進めている。これらの成果の一部を第23回日本再生医療学会で報告した。 EBウイルス感染前の宿主側の腫瘍周囲環境をiPS細胞を用いて再現し解析することで、CAEBVの病態に関わる要因を明らかにすることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CAEBV患者のEBウイルス抗体価と臨床的特徴の関連を後ろ向きに分析し、CAEBVの発症には宿主の免疫学的な異常が関与していることが示唆された。この結果に関する論文はすでに掲載された。 また、CAEBV患者由来iPS細胞を用いた研究も進行中であり、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、CAEBV患者由来iPS細胞を用いた解析をさらに進めることで、宿主の免疫学的異常がCAEBVの発症や病態進行にどのように影響しているのかを詳細に明らかにする。本研究を通じて、CAEBVの発症メカニズムの解明及び新規治療法の開発に寄与することを目指す。
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