Project/Area Number |
23K07939
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54030:Infectious disease medicine-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
田中 幸枝 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (10197486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 孝行 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20215388)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | ヒトメタニューモウイルス / アクセサリー蛋白質 / 自然免疫 / インターフェロン / RIG-I / TLR7/9 / 抗インターフェロン / 生ワクチン |
Outline of Research at the Start |
hMPVのM2-2蛋白は,1)形質細胞様樹状細胞のTLR7/9経路を介したIFN-α産生を抑制する機構 2)気道上皮細胞などのRIG-I経路を介したIFN-β産生を抑制する機構,の2種の抗IFN能でウイルス増殖をサポートする. M2-2蛋白を発現しない組換えウイルスは弱毒化するので生ワクチンの候補となるが,抗IFN能以外に増殖に関わる機能まで喪失し十分なウイルス量を得られない.これまで抗TLR7/9能のみ欠失させた組換えhMPVを作製したが,ワクチンの基準を満たすには弱毒化が不十分であった. 今回は,抗RIG-I能欠失組換えウイルスと,抗TLR7/9能欠失に抗RIG-I能欠失を追加した組換えウイルスを作製し,新規の弱毒生ワクチンの作製を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒトメタニューモウイルス(hMPV)のアクセサリー蛋白質M2-2は、二種類の抗インターフェロン能(抗IFN能)を持ちウイルスの増殖をサポートする。一つは形質細胞様樹状細胞に特異的なTLR7/9経路を介したIFN-α産生を抑制する機構(抗TLR7/9能)、もう一つは気道上皮細胞などで使われるRIG-I経路を介したIFN-β産生を抑制する機構(抗RIG-I機構)である。M2-2蛋白質を発現しない組換えウイルスは弱毒化するので弱毒生ワクチンの候補となるが、抗IFN能以外に増殖に関わる重要な機能まで喪失するため十分なウイルス量を得ることが難しい。本研究では、増殖に影響を及ぼさず抗IFN能のみを喪失した組換えウイルスを作製し、それらが弱毒生ワクチンの基準を満たすか検討する。2023年度は、前年度までに決定した抗IFN能の責任領域に点置換変異を施し抗IFN能のみが解除されるM2-2発現プラスミドの構築を試みた。その結果、増殖能には影響せず二種類の抗IFN能(抗RIG-I能とTLR7/9能)を喪失した変異M2-2蛋白質を発現するプラスミドを複数得ることができた。さらに、これらの変異M2-2蛋白質を発現する全ゲノムプラスミドを構築し、抗IFN能欠失組換えウイルスを作製するための準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、抗IFN能のみが解除された変異M2-2蛋白質を発現するプラスミドを構築するために、 ① M2-2蛋白質の抗RIG-I能の責任領域に点置換変異を導入、② 抗RIG-I能の評価、③ 抗TLR7/9能の評価、④ 増殖能(正確には転写・複製調節能)の評価、を行った。その結果、増殖能には影響せずに抗RIG-I能を喪失した変異体を発現するプラスミドを得ることができた。これらはすべてTLR7/9能も喪失していたことから有望な弱毒生ワクチンの候補になることが推定された。さらに、これらの変異体を発現する組換えウイルス作製のための全ゲノムプラスミドも構築した。以上、計画した実験ははおおむね遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に構築した全ゲノムプラスミドを用いて組換えウイルスを作製し弱毒生ワクチンとしての基準を満たすか検討する。これに加えて、2023年度には得られなかった一種類の抗IFN能のみを喪失する変異体の構築を試みる。
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