核酸医薬製剤を用いた免疫修飾による新たな1型糖尿病発症予防・進展阻止法の開発
Project/Area Number |
23K07971
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
錦戸 慎平 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (00894594)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 1型糖尿病 / IRF4 / 膵島自己免疫 / 膵島炎 / インスリン / インターフェロン制御因子4 |
Outline of Research at the Start |
1型糖尿病は免疫細胞がインスリン産生細胞を破壊する疾患であり、その免疫システムを抑える治療の開発は、1型糖尿病の寛解を目指す上で重要です。私達はIRF4という因子が1型糖尿病の治療ターゲットとなる可能性を世界で初めて報告しました。本研究では、IRF4を制御する薬剤が、1型糖尿病の発症前・発症後・移植後の時期に有効か検討します。本研究を通じて、私達は1型糖尿病の治療の発展に貢献したいと考えています。
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Outline of Annual Research Achievements |
1型糖尿病は抗原特異的T細胞が膵島局所で活性化・増殖し、膵β細胞を特異的に破壊する自己免疫疾患である。ヒト1型糖尿病の発症予防・進展阻止法として抗CD3抗体製剤などの免疫修飾療法がβ細胞機能を温存することが報告されているが、未だ「完治」に至るものはなく、自己反応性T細胞の細胞障害機能を特異的に抑制しうる免疫修飾療法の開発が望まれている。 インターフェロン制御因子4 (IRF4) は、T細胞受容体刺激強度に応じてT細胞の分化・増殖を誘導する転写因子である(Man, Nat Immunol, 2013)。申請者は、本研究において膵島抗原特異的CD8+T細胞発現NODマウス(NOD8.3)におけるIRF4遺伝子のハプロ不全が、①糖尿病自然発症を完全抑制すること、②養子移入の系で糖尿病誘導能を強力に抑制することを明らかにすることで、1型糖尿病の発症には膵島抗原特異的CD8陽性T細胞におけるIRF4の発現が必須であることを見出した。また、膵島に浸潤した抗原特異的CD8陽性T細胞の遺伝子発現をRNA-Seqを用いて網羅的に解析することで、IRF4ヘテロ欠損CD8陽性T細胞において発現が低下している29の新規因子を抽出した。これらの新規に抽出された遺伝子群と膵島自己免疫反応との関連性を証明できれば、1型糖尿病の病態解明や新規発症予防・進展阻止のみならず、膵島移植や再生医療と併せて寛解を目指した治療の開発に大きく貢献すると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に示した、膵島浸潤CD8陽性T細胞のRNAシーケンスを試行し、変化しうる遺伝子群を抽出し、次年度の研究計画を立案できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針としては、RNA-Seq を用いて抽出されたIRF4ヘテロ欠損膵島浸潤CD8+T細胞において発現が低下している遺伝子群の、膵島自己免疫における機能解析を行うとともに、新たな1型糖尿病進展阻止法の治療標的因子としての臨床応用となるかの基盤的研究を行う。 まず、糖尿病発症期のNOD8.3より得られたIRF4野性型およびヘテロ欠損膵島浸潤CD8+T細胞において、RNA-Seqで得られた上記遺伝子群の発現を、定量的逆転写PCR(RT-qPCR)を用いて評価する。 次に、上記で発現量の変化が認められた遺伝子を標的としたsiRNAを作成し、IRF4野性型抗原特異的CD8+T細胞にsiRNAを導入する。また、siRNAトランスフェクション後の抗原特異的CD8+T細胞をIGRP膵島抗原ペプチドでパルスした樹状細胞と共培養し活性化した後、免疫不全マウス(NOD-Rag1KO)へ養子移入し、糖尿病誘導能抑制効果を検討する。 最後に、糖尿病誘導能の低下が確認された標的遺伝子に関して、クロマチン免疫沈降シーケンス(ChIP-seq)を用いて、転写因子IRF4との関連性を検討し、1型糖尿病治療標的因子としての遺伝子制御の可能性を検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)