Project/Area Number |
23K07983
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小松 哲郎 群馬大学, 生体調節研究所, 講師 (70614824)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 空間オミクス / 1細胞解析 / 脂肪細胞 / エピゲノム |
Outline of Research at the Start |
脂肪細胞の持つ可塑性の分子基盤として、エピゲノム制御が重要な役割を果たす。近年、1細胞シークエンシング解析により、脂肪細胞におけるエピゲノム多様性が明らかとなった。しかし、細胞の分離を伴う1細胞解析では、細胞の「空間情報」が失われる。従って、脂肪細胞の持つ多様なエピゲノム状態と、細胞固有の空間的性質の相互関係性は不明である。本研究は、1細胞解像度の「空間エピゲノム解析」により、脂肪細胞の多様性を理解することを目的とする。独自のエピゲノムイメージング技術により、組織形態を保持したまま1細胞エピゲノムデータを取得し、エピゲノムおよび空間情報により規定される脂肪細胞多様性の新たな俯瞰図を提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年1細胞シークエンス解析により明らかにされた脂肪細胞の多様性を、細胞ごとの「エピゲノム状態」と「空間情報」の両面から統合的に理解することを目的とする。具体的には、独自イメージング技術を駆使し、マウス脂肪組織切片の形態を保持したまま、1細胞解像度の空間エピゲノム解析を実施する。 これまでに、網羅的エピゲノム解析技術であるATAC-seq法の基本原理と、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法を組み合わせ、ゲノム領域特異的なクロマチンアクセシビリティを可視化する、独自のエピゲノムイメージング技術の開発を進めた。基本的な条件検討を培養細胞系において行い、基本プロトコルを確立した。現在は、マウス組織切片を用いたプロトコル最適化に着手している。加えて、同様の原理をメチル化DNA解析に応用し、FISHにより局所的なDNAメチル化状態を1細胞レベルで検出する技術を開発した。この新技術についても、プロトコルの最適化を進め、マウス組織切片を用いたデータ取得を目指す。 並行して、エピゲノムイメージング技術において解析対象とする遺伝子・ゲノム領域を選定するため、マウス脂肪組織を用いた大規模1細胞RNA-seqの公共データの解析を進めた。その一環として、学術変革領域研究「学術研究支援基盤形成」の枠組みの1つである先進ゲノム支援において、1細胞シークエンスデータの情報解析に関する提案を申請し、採択された。先進の1細胞データ解析ツールを用いた解析により、in vivoにおいて脂肪細胞の運命決定を担う新規転写因子の同定を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イメージングにより1細胞レベルでエピゲノム制御(クロマチンアクセシビリティ、DNAメチル化)を解析するための新規技術開発に関しては、培養細胞系を用いて動作原理を実証する段階まで進捗している。引き続き、条件検討・プロトコル最適化を進めることで、実用性のある空間エピゲノム解析技術を確立できると期待される。 公共データベースに登録された、大規模1細胞RNA-seqデータの解析にも既に着手している。同様に、マウス脂肪組織を用いた1細胞核ATAC-seq解析の公共データについても、順次解析を開始する予定である。 また、本研究におけるエピゲノム解析の対象となる、エピゲノム修飾酵素遺伝子の変異マウスについては、既にホモ変異マウスが得られている。現在は、生理学的解析により、変異マウスの基本的な表現型解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
エピゲノムイメージング技術に関しては、培養細胞系で確立したプロトコルを基に、マウス組織切片のための実験条件最適化を進め、脂肪組織切片での実データ取得を目指す。 並行して、公共1細胞シークエンスデータの解析において、RNA-seqデータに加え、ATAC-seqデータの解析及びRNA-seq・ATAC-seqデータの統合解析を進め、エピゲノムイメージング技術における解析対象となる遺伝子・ゲノム領域の選定を行う。また、選定ゲノム領域を標的としたFISHプローブを設計し、イメージング解析における実データ取得に備える。 以上、当初計画の通り、新規イメージング技術開発と、1細胞シークエンスデータ解析を並行して実施し、in vivoにおいて脂肪細胞の多様性を規定するエピゲノム制御を、1細胞レベル・高空間解像度で検討するための解析プラットフォームの構築を進める。
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