多発性内分泌腫瘍症1型の腫瘍発症におけるMEN1遺伝子病的バリアントの役割
Project/Area Number |
23K07984
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小澤 厚志 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (10573496)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 内分泌腫瘍 / 遺伝子 / 遺伝性疾患 / 遺伝性腫瘍症候群 / 神経内分泌腫瘍 |
Outline of Research at the Start |
癌抑制遺伝子MEN1の胚細胞/体細胞病的バリアントに依存する内分泌腫瘍発症機構の全容と、遺伝子バリアントと腫瘍関連表現型の連関を解明する。本研究では、臨床的に診断されたMEN1型患者を、MEN1遺伝子胚細胞病的バリアントの有無で2群に分け、さらに腫瘍組織から抽出したDNAをエクソーム解析し、MEN1遺伝子体細胞病的バリアント保有群を区別する。これら3群における腫瘍性病変の表現型解析、および腫瘍RNAを用いたRNA sequencingを行いMEN1遺伝子病的バリアントの有無やMEN1遺伝子発現量の差異による腫瘍組織中の遺伝子profileの解析を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1型)の標的内分泌組織(下垂体、副甲状腺、膵・消化管内分泌腺)の腫瘍の発症、進展には胚細胞レベルでも体細胞レベルにおいてもMEN1遺伝子の病的バリアントの存在や、MEN1遺伝子の翻訳産物であるmeninの発現量低下が重要な役割を担っており、MEN1遺伝子病的バリアントに依存する内分泌腫瘍発症機構と、遺伝子バリアントと腫瘍関連表現型の連関を解明するため、以下の実験を行った。 1) 当院の内分泌糖尿病内科および遺伝子診療部の診療にて、臨床的にMEN1型と診断された患者(n=52)を、MEN1遺伝子胚細胞病的バリアントを有する群(A群, n=30)と、病的バリアントを認めない群(B群, n=22)に分け、診療録を詳細に調査し、個々の症例において発症している下垂体腫瘍、副甲状腺腫瘍、膵・消化管内分泌腫瘍について腫瘍発症年齢、腫瘍個数、腫瘍径、機能性腫瘍であれば過剰分泌ホルモンの種類と血中濃度、臨床症状、家族歴の有無を抽出し、統計学的手法を用いてA,Bの2群間での各項目の比較解析を行った。 2) A群(n=8),B群(n=14)において外科的摘出術が施行された副甲状腺腫瘍の病理診断確定後のパラフィン包埋ブロック、または手術時の残余検体からRNAを抽出した。A群では8例中7例の病理診断がhyperplasiaで、1例がadenomaであった。B群では全例とも病理診断はadenomaであった。 3) 2)で抽出した腫瘍由来RNAのQualityチェックを行い、シークエンスライブラリー調整後に、RNAシークエンシングを行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題においては、臨床的にMEN1型と診断された患者を、MEN1遺伝子胚細胞病的バリアントを有する群(A群)、胚細胞バリアントを認めない群(B群)、B群のうち発生した内分泌腫瘍組織においてのみMEN1遺伝子体細胞病的バリアントを有する群(C群)に分け、MEN1遺伝子病的バリアントの有無、MEN1遺伝子の翻訳産物であるmeninの発現量の差異によって、A,B,C群で発症した腫瘍組織での遺伝子profileを解析し、またA,B,C群における発生腫瘍個数、腫瘍サイズ、過剰分泌されるホルモンの種類や血中濃度など腫瘍性病変の表現型をカルテベースで比較解析することでMEN1遺伝子の癌抑制機能の詳細を解明することを主目的としており、令和5年度までにA群、B群のカルテベースでのデータ抽出が完了した。また、令和5年度までですでにA, B群に発症した副甲状腺腫瘍からRNAを抽出して、Qualityチェックを行い、シークエンスライブラリー調整後に、RNAシークエンスを施行するまで達成できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
1) A, B群に発症した副甲状腺腫瘍由来RNAを用いてのRNAシークエンスについては、遺伝子発現定量、DEG解析、GO解析、パスウェイ解析など施行する。 2) またB群として処理した副甲状腺腫瘍(n=14)からDNAを抽出し、Qualityチェック後にエクソーム解析を施行する。特にMEN1遺伝子に病的バリアントが検出されれば、MEN1遺伝子の体細胞病的バリアントとなるため、これらを新たにC群とする。 3) 1)で解析したRNAシークエンス解析結果を、2)における腫瘍組織でのMEN1遺伝子体細胞病的バリアントの有無の観点から解析する。 4) 副甲状腺腫瘍での解析終了後に、同様の実験を膵内分泌腫瘍を標的として施行するが、腫瘍からのDNA, RNA抽出にはより精密にLaser capture microdissection法を用いる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)