Project/Area Number |
23K07990
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木村 真希 (小柳真希) 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (40623690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 良明 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10335440)
堀 裕一 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (80248004)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 膵β細胞 / 可塑性 / mTORC1 / mTORC1活性 / 膵β細胞量調節 / 脱分化 |
Outline of Research at the Start |
2型糖尿病患者の膵島ではmTORC1活性が亢進し、また膵細胞の増殖低下やアポトー シス亢進にmTORC1活性が大きく寄与することが知られている。しかしながら、膵β細胞のmTORC1活性が分化に及ぼす影響についての検討は為されていない。最近代表者は、膵β細胞特異的にmTORC1活性が亢進しているマウスの膵β細胞が腺房細胞に脱分化していることを見出した。そこで、膵β細胞特異的mTORC1活性亢進マウスを用いて、この分化転換の機序解明、ならびに膵癌発症などとの関連について検討を行う。本研究を通して、「膵β細胞不全の発症機序」および「糖尿病と膵癌の関連性」について解明につながることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、TSC2ノックアウトマウスの膵島における腺房細胞への脱分化を検討することが主な目的である。2023年度は、主にTSC2ノックアウトマウスの膵島における遺伝子発現を、定量PCRや免疫染色を用いて検討した。その結果、コントロールマウスでは全く認められない腺房細胞マーカー(アミラーゼ、リパーゼ、Ptf1a)が、TSC2ノックアウトマウスの膵島において発現していることが明らかとなった。この結果をさらに確認すべく、Lineage-tracing法を用いて膵β細胞由来細胞にYFPが発現するTSC2ノックアウトマウスを作製した。このマウスの膵島を免疫染色したところ、YFP発現細胞において腺房細胞マーカーの発現が確認された。この現象の普遍性を確認するために、2型糖尿病モデルマウスであるdb/dbマウスの膵島でも同様にlineage-tracingを行ったところ、やはり膵β細胞由来細胞においてアミラーゼやPtf1aが発現していることが明らかとなった。db/dbマウスの膵β細胞ではmTORC1活性が恒常的に活性化されていることから、この現象はmTORC1活性化に伴うものと考えられた。mTORC1活性化が腺房細胞への脱分化を制御していることを確認するために、mTORC1活性阻害薬であるラパマイシンを腹腔内投与実験を行った。その結果、ラパマイシン投与TSC2ノックアウトマウスの膵島では、Ptf1a発現の消失が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TSC2ノックアウトマウスの膵島における解析は概ね順調であり、当初立てていた仮説を実証する綺麗なデータが再現性をもって確認されている。ただし、計画案の一つである発癌実験に関しては、予想されたデータが得られておらず、これに関しては研究計画の変更も今後考慮する必要がありえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はTSC2ノックアウトマウスの解析がメインであり、順調な進捗であったと考える。今後は、ヒト2型糖尿病患者におけるデータの解析が必要であり、ヒトサンプルの取得について考慮している。また、TSC2ノックアウトマウスの膵島におけるシングルセル解析は不可避と考えているが、研究予算が十分でないことから、こちらについても検討が必要である。
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