肝疾患の発症・進行に関連するエピゲノムネットワークの調節因子の同定
Project/Area Number |
23K08019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
堀田 紀久子 大阪大谷大学, 薬学部, 教授 (30360639)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 非アルコール性脂肪肝疾患 / DNAメチル化 / 肝硬変 / 肝癌 / メチル化 / 内臓脂肪 |
Outline of Research at the Start |
内臓脂肪は門脈系の支配をうけ肝臓の上流に位置する。内臓脂肪蓄積は非アルコール性脂肪 肝疾患(NAFLD)やウイルス性肝炎の進行や肝癌発症に重要なリスクとなる。NAFLDで同定したDNAメチル化レベルのネットワークがウイルス性肝炎、アルコール性肝疾患、肝癌において保存されておりエピゲノム変化が肝疾患に重要である。肝臓でのエピゲノム変化に対する内臓脂肪蓄積の役割を解明することを目的とし研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでにMASLDの線維化に関連したメチル化レベルが変化する領域(differentially methylated regions [DMRs])を同定している。これらのDMRは2個のネットワークを形成していた。ネットワーク1は細胞増殖に関連している遺伝子が多く存在し、ネットワーク2には代謝に関連している遺伝子が多く存在している。ネットワーク2のDMRが肝硬変や肝癌でどのように関連しているかを検討した。メチル化解析にはデータベースGSE60753、GSE56588、GSE89852を用いた。発現解析にはRNAシークエンスデータベースGSE11456、GSE94660、GSE142530を用いた。12個のDMRが正常、肝硬変、肝癌と進行するにつれてメチル化レベルが変化した。正常細胞と肝癌細胞でも同様の差が認められた。さらにRNAシークエンスのデータベースを用いて発現レベルの変化を検討した。ZBTB38遺伝子のメチル化レベルは肝硬変、肝癌で低下し、発現量は増加していた。FOXK1遺伝子とZC3H3遺伝子のメチル化レベルと発現量は肝硬変、肝癌で増加していた。KAZN遺伝子のメチル化レベルは肝硬変、肝癌進行とともに低下し、発現量は肝硬変、dysplastic nodules、早期肝癌、進行肝癌と進行するにつれて発現が低下していた。12のDMRは肝線維化で変化し、その変化は肝癌発症後も持続しており、肝線維化から肝癌発症に関連していることが示唆された。特に肝癌で発現が増加した3遺伝子(ZBTB38、FOXK1、ZC3H3)と低下したKAZN遺伝子は肝線維化から肝癌発症に関連していることが示唆された。以上の結果を論文にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前の研究でMASLDの線維化に関連したメチル化レベルが変化する領域(differentially methylated regions [DMRs])を同定している。これらのDMRは2個のネットワークを形成していた。ネットワーク1は細胞増殖に関連している遺伝子が多く存在し、ネットワーク2には代謝に関連している遺伝子が多く存在していることを明らかにしてきている。これらのDMRが肝硬変や肝癌でどのように関連しているかをデータベースを用いて検討し、ネットワーク2は肝炎、肝硬変、肝癌でも認められ、3個のハブ遺伝子(FABP1、SGK2、HNF4A)が存在することを報告している。ネットワーク2のメチル化レベルは肝硬変で増加し、肝癌で正常レベルまで低下していた。今年度の解析でネットワーク1に存在するDMRは肝硬変や肝癌ではネットワークを形成しなかったが4個の遺伝子(ZBTB38、FOXK1、ZC3H3、KAZN)のメチル化レベルや発現量が肝硬変、肝癌と進行するにつれて変化することを明らかにした。これらの研究により、今後解析する遺伝子のターゲットを絞りこむことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
内臓脂肪は門脈を介して肝臓の上流に存在する。MASLD、アルコール性肝疾患、C型肝炎、肝癌に共通するDMRネットワーク、ハブ遺伝子のSGK2、FABP1、HNF4A遺伝子のメチル化レベルを調節する内臓脂肪由来因子を同定し、内臓脂肪蓄積と肝疾患との関連性を明らかにすることを当初の目的にしていた。これに加えて、今年度で同定したZBTB38、FOXK1、ZC3H3、KAZNについても検討する。高脂肪食負荷マウスの門脈血と動脈血でmiRNAのマイクロアレイ解析を開始している。内臓脂肪から多く分泌されているmiRNAや高脂肪食負荷で増加あるいは減少するmiRNAを数個同定し、qPCRにて動脈血より門脈血で高値であり、高脂肪食負荷で変化することを確認しているので、これらのmiRNAがSGK2、FABP1、HNF4A遺伝子やZBTB38、FOXK1、ZC3H3、KAZN遺伝子のメチル化レベルや発現量にどのような効果があるか検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)