Project/Area Number |
23K08040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
石田 善敬 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80447664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 尚 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70319549)
中村 達郎 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20898457)
中尾 英一郎 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70788265)
北條 雄大 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00898794)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | AI / 人工知能 / 外科臨床実習 / 外科解剖学 / 胃癌手術 |
Outline of Research at the Start |
昨今、医学教育における臨床実習の比重が大きくなり、外科学では高度化する手術治療に対するより深い理解が求められている。しかし手術参加機会の制限、勤務する外科教員の不足、また働き方改革により医学教育に関わる時間がさらに限定される可能性がある。 近年、人工知能(AI)は急速に発達を遂げ、外科分野でも深層学習を用いたリアルタイムでのAI手術支援システムの開発が進んでいる。 本研究では、学生が手術内容を理解しやすいよう、解剖学的ランドマークとなる組織や臓器をモニター上に着色教示するAI技術を開発する。本システムの利用によって、従来よりも高い教育効果が得られるかどうかを検証し、臨床実習の効率化を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
外科臨床実習の効率化をもたらす人工知能(AI)支援システムの開発に先立ち、ステップ1として、AIによる術中臓器のコンピュータビジョンへの描出によって学生の臨床解剖の理解向上が図れるか、検討を行った。当科での臨床実習を行う医学生を対象とし、胃癌手術において解剖学的ランドマークとなる膵臓を描出したコンピュータビジョンによる手術動画を見学させた。その後、別症例における通常の手術画像において膵臓をいかに的確に認識できるかを検討した。これによって、学生のコンピュータビジョンでの臓器描出による学習効果を確認することができた。 ここで膵臓を標的臓器として選択した理由について述べる。膵臓は脂肪が沈着することが多く、膵臓の実質との識別が難しいことが多い。胃癌根治手術においては、膵臓近傍のリンパ節郭清は必須であり、ときに膵損傷による膵液漏を起こしてしまうことがある。これは胃癌術後合併症のひとつとして、大きく掲げられている。そのため認識が難しい膵臓を選出した。 次いでステップ2として、外科臨床実習において、このAIによる臓器描出画像をリアルタイムに見ることによる学習効果と、従来通り外科医の手術説明による学習効果の比較検討を試みた。この結果次第では、外科臨床実習における手術の解説を、AIによるリアルタイムで描出されたコンピュータビジョンが一部代替できる可能性を示すことができる。 現在、臨床実習を当科で行う学生を対象とし、手術見学時に従来通り胃癌手術画像を外科医の解説付きで見るチームと、AIによって解剖学的ランドマークが描出されたコンピュータビジョンをリアルタイムに見るチームに分け、その後の対象臓器の認知度を試験し計測している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ステップ1として、術中のランドマークとなる臓器を、AIによるコンピュータビジョンに描出することによって、学生の臨床解剖の理解向上が図れることを確認できた。当科での臨床実習を行う医学生 約20人を対象とし、胃癌手術において解剖学的ランドマークとなる膵臓を描出したコンピュータビジョンによる手術動画を、外科医による解説なしで見せた。その後、別症例における通常の手術画像において膵臓をいかに的確に認識できるか検討した。医学生が指摘した膵臓と、当科外科医が同じ画像において認識した膵臓との一致率を計測した。これによって、学生のコンピュータビジョンでの臓器描出による学習効果を確認することができた。 次いでステップ2として、外科臨床実習において、このAIによる臓器描出画像をリアルタイムに見ることによる学習効果と、従来通り外科医の手術説明による学習効果の比較検討を試みた。この結果次第では、外科臨床実習における手術の解説を、AIによるリアルタイムで描出されたコンピュータビジョンが一部代替できる可能性を示すことができる。 現在、臨床実習を当科で行う学生を対象とし、手術見学時に通常の胃癌手術画像を外科医の解説付きで見るチームと、AIによって解剖学的ランドマークが描出されたコンピュータビジョンをリアルタイムに見るチームに分け、その後の対象臓器の認知度を試験し計測している。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のステップ2における外科医解説チームとAIチームのテスト結果から、標的臓器の認識の違いを比較検討する。統計学上、さらに対象となる医学生が必要であれば、さらにテストを行い対象数を増やしていく。 またステップ3として、本研究の最終目的となるAIプラットフォームの開発を行う。現在のところ、AIがリアルタイムで認識できるのは、膵臓、剥離層の基本となる繊維組織、および血管周囲の神経組織である。今後は、コンピュータビジョンに描出するランドマークとなる臓器を増やし、術野の展開が実習学生により分かりやすくできるようにする必要がある。それには、ランドマークとなる臓器の選定をさらに行い、リアルタイムに描出するためのアノテーションを行う。その後、リアルタイムに対象臓器をコンピュータビジョンに描出できるAIプラットフォームを構築する。
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