Project/Area Number |
23K08046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
二村 学 岐阜大学, 医学部附属病院, 教授 (10415515)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | Mieap / p53 / in silico search / PTBP1 / ZN558 / Mitochondria quality / Warburg effect / Cardiolipin |
Outline of Research at the Start |
MieapによってWarburg効果による癌代謝をいかに制御・改善するか、癌の代謝制御による生存環境を変えることによって癌をDormant(いわゆる休眠状態)に持っていけるか、が本治療開発の目指す核心的コンセプトである。これをCL, PTBP1, Mieapの各分子の基礎的・臨床的側面から解明していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
p53標的遺伝子であるMieapは、がん細胞に特有の、ATP産性能が低下し活性酸素種(ROS)を多量に発生する不良ミトコンドリアに対し、排除・修復することによって、ATP産性能を改善し、ROS発生を抑止する。即ちミトコンドリアの品質管理を行っていることが徐々にわかってきた。一方、Mieap遺伝子は多くのがんでメチル化を来しており発現抑制が起こっており、発がんモデル動物ではMieapの機能不全が、がん化促進と悪性度を高めることも判ってきた。Mieap蛋白を乳がん細胞に多量に発現させると、カスパーゼ依存性のアポトーシスが起きる事や、乳がんの手術検体においてMieapの発現は減少し、その制御機構の破綻が見られた。この現象の普遍性を検証するため、TCGA, METABRICといった世界でも有数のパブリックデータをバイオインフォ―マティックスの手技を用いて解析したところ、Mieapの発現と腫瘍の悪性度の相関は明らかであり、Mieapの機能不全が、細胞増殖因子の活性化を引き起こし、ひいては有意に乳がんの予後の増悪をもたらすことが判明した。さらに、消化器がんでもIP3/NIX-Mieapのシグナル経路の破綻が明らかとなった。以前の大腸がんでの解析を含め、Mieapはヒトがんにおけるがん抑制機能を有る重要な分子であることが明らかとなった。MieapはWarburg効果に代表される癌代謝のKey moleculeと考えられる。近年Warburgに関係する分子としてPTBP1が、またMieap関連因子としてZN558の重要性が示唆されており癌代謝面からメカニズム解明を行い、その機能阻害による癌阻害物質の発見に繋げていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Mieapはこれまでの研究からTumor suppressor, PTBP1(Polypyrimidine Tract Binding Protein 1) はOncogeneと推定されている。このため、Mieapの発現とPTBP1の発現の関係が乳癌予後と関係するかをin silico searchでみてみると、Mieap高値、PTBP1低値は予後良好であり、Mieap低値、PTBP1高値は予後不良であることが示唆された。これは癌代謝の状態が患者の予後に繋がるいわゆるバイオマーカーとして、予後因子としての可能性を示している。In vitroの検証として(MCF7, SK-BR-3, MBA-MB-231)に対してPTBP1をノックダウンすると、細胞数の有意な抑制が見られた。さらに癌代謝の測定のため、ATPアッセイにおいてPTBP1の発現減少で有意なATP産生の増加が見られた。また、Lactate産生は低下し、NAD/NADH活性の増加が見られ解糖系のエネルギー産生からTCAサイクルによるエネルギー産生への移行がみられ、代謝軸の移行が見られた。こうした代謝制御によるがん増殖抑制は我々の目指すところであり、この現象に対して、MieapやZN558がどのように関与するかを現在調べている。
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Strategy for Future Research Activity |
In vitroの細胞実験で得られた減少を、臨床検体を用いて検証する。PTBP1はPKM2(Pyruvate Kinase musucle2)をPKM1にスイッチさせる。PKM2はOncogenicに働くため、増殖能の強い所で発現が多く、増殖の弱い所はPKM1有意になっている可能性があり、これらの変化を免疫染色で検討している。この際Mieap、ZN558がどのように発現変動を起こしているかも見ていくことで、in vivoにおけるMieapの制御機構が解明できることを期待している。PTBP1の立体構造から4か所のRNA結合ドメインが存在することがわかっており、このドメイン結合し、癌代謝を抑制する小分子の発見も、小分子創薬ライブラリーからスクリーニングしていく。
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