Project/Area Number |
23K08080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
星 玲奈 日本大学, 医学部, 助手 (20793772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 秀一郎 日本大学, 医学部, 教授 (00448060)
越永 從道 日本大学, 医学部, 教授 (70205376)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | N-NOSE / 小児固形腫瘍 |
Outline of Research at the Start |
小児の悪性固形腫瘍は診断時に進行がんであることが多く,早期発見・早期治療は喫緊の課題である.しかし,小児は幼いために自分自身で症状を表現することが困難であり,また小児の悪性固形腫瘍の中で,横紋筋肉腫やユーイング肉腫,腎芽腫に代表される腎腫瘍などには腫瘍マーカーが未だ存在しない.以上の点から小児悪性固形腫瘍の早期発見は困難である.近年,線虫C.elegansの嗅覚を利用した「nematode nose (以下,N-NOSE)」という検査を用いたがんの早期診断が試みられている.N-NOSEは成人の様々な癌種において高い感度と特異度が報告されているが,小児ではまだ報告されていない.
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Outline of Annual Research Achievements |
基礎研究にはヒト神経芽腫細胞株(NB1, NB9, SK-N-SH, SK-N-AS, SH-SY5Y)、ヒト腎腫瘍細胞株(WT-CLS1, G401)、ヒト肝腫瘍細胞株(HepG2)および非がんコントロールとしてヒト包皮線維芽細胞(HFF)を用いた。上記の細胞株をそれぞれ適切な培地や条件下で培養し、細胞培養液および細胞溶解液を回収した。回収された細胞培養液および細胞溶解液を10-1から10-8の濃度に希釈し、線虫C. elegansの走性を解析した。各解析では希釈したものを1μLディッシュの端に滴下し、およそ100匹の線虫C. eleganceをディッシュの中央に置き、30分後に誘引されたC. elegansの数、忌避を示した線虫C. elegansの数をカウントし、走性インデックスを求めた。上記の手順で線虫C. elegansが細胞培養液もしくは細胞溶解液のがん特異的なにおいを検出できるかどうかを調べた。その結果、10-3から10-4濃度に希釈した細胞溶解液サンプルに対する線虫C. elegansの誘引反応は、ほとんどの悪性固形腫瘍細胞株で観察され、特にSK-N-SH、SK-N-AS、WT-CLS1の3つの癌細胞株は、非がんコントロールとしてのHFFと比較して、統計学的に有意な正の走化性を示した。使用した培地は特定のがん細胞株によって異なるが、線虫C. elegansは明らかに培養上清サンプルに引き寄せられ、細胞溶解液と同様の傾向を示し、その濃度は10-3から10-8の範囲であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始にあたり2023年5月に院内の倫理審査に申請し、度重なる修正のため実施許可がおりたのが10月となり、研究開始自体が遅れた。基礎研究においては細胞株の培養(とくにヒト包皮線維芽細胞の発育が遅いため)時間を要した。新規で購入した細胞株に関しては最適な培養環境を探索するのに時間を要した。臨床研究においては該当症例が少なく、症例集積に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎研究と臨床研究を同時進行で進める。基礎研究に関しては次年度購入予定の細胞株に関して追加で同様の解析を行う。培養上清や細胞培養液などそれぞれについて濃度調整を行うことで、線虫がどのように忌避行動もしくは誘引行動を示すか解析する。また、細胞株ごとに細胞培養液の成分が異なり、各成分が解析結果に影響を与えている可能性があるため、その点に関しても解析を行う。腫瘍モデルマウスの作製も試みる。臨床研究は健常疾患対照群に関して既に通院中の患児を中心にリクルートに努める。既に良性固形腫瘍の診断がついており無治療経過観察中に患児に対しても同様である。悪性固形腫瘍の患児に関しては近隣病院から紹介いただけるよう協力を仰ぐ。
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