Project/Area Number |
23K08087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
赤堀 浩也 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10340069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前平 博充 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30564918)
村田 聡 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90239525)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 手術侵襲 / 脂肪組織由来炎症反応 / インスリン / アディポサイトカイン / 脂肪組織炎症 / 周術期強化インスリン療法 |
Outline of Research at the Start |
外科手術周術期に惹起される腹腔内急性炎症を起点とした周術期生体反応の病態に関する機序を解明する。具体的には、消化器外科手術周術期に、内臓脂肪由来の急性炎症反応が惹起され、術後経過(特に感染性合併症発生)に関与することを証明する。さらに、周術期に行う強化インスリン療法が脂肪組織由来炎症反応に及ぼす作用機序を検証し、強化インスリン療法の臨床応用拡大へと展開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、下記2点について行った。 ① 周術期に惹起される脂肪組織急性炎症を起点とした周術期生体反応の病態に関する機序を解明することを目的として、当院で行った胆膵がん手術症例 (50例;対照群と治療群各25症例ずつ) から、各種検体(血液・腹水・脂肪組織)採取と保存を行った。次年度以降に、今年度採取した検体を用いた測定を行い、臨床データ(合併症など)との相関関係を解析する予定である。 ② 脂肪組織急性炎症反応に対する強化インスリン療法の抗炎症効果を解明するために、手術前後に採取した脂肪組織検体を用いたin vitro実験を計画した。 今年度は予備実験として、採取した脂肪組織の組織学的手技の獲得(手術前後の組織学的変化の検討目的)と、脂肪組織から脂肪細胞の分離・培養手技の獲得を目的とした実験をそれぞれ行った。 次年度以降に、脂肪組織に存在するマクロファージと脂肪細胞のクロストークによって惹起される炎症反応ならびにインスリンの抗炎症作用の有無について in vitro実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定した通りの症例(50症例分の胆膵がん手術症例)から、各種検体(血液・腹水・脂肪組織)を採取することができた。血液と腹水検体は遠心分離後に、脂肪細胞はそのまま凍結保存とした。 同時並行で進めているIn vitro実験について、①手術操作による脂肪組織での炎症性細胞浸潤(脂肪組織へのマクロファージ浸潤)を組織学的に検討すること、②細胞培養を用いて、脂肪組織でのアディポサイトカイン産生とその調節に関する検討を行うことを目的としている。今年度、組織学的手技(HE染色と免疫染色)で脂肪組織中に脂肪細胞とマクロファージをそれぞれ同定することができた。具体的にはまず、脂肪組織検体をパラフォルムアルデヒド固定パラフィン包埋標本を作成、保存した。次にHE染色とマクロファージマーカーの免疫組織染色を行い、脂肪細胞の同定とともに脂肪組織へのマクロファージ浸潤の有無を検討した。そのほか脂肪組織中から脂肪細胞を分離・培養すること、さらに培養した脂肪細胞からのアディポサイトカイン分泌能の検討がともに可能であることを確認できた。現時点で確認できていない手技(マクロファージの分離・培養)が確立すれば予備実験は完了する。その後、予備実験結果をもとに本実験を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検体を予定通りに集積できたことから次年度から速やかに、各検体中のアディポサイトカイン(TNFα、IL-6、ビスファチン、アディポネクチン、遊離脂肪酸など)濃度の定量比較(経時的)をELISA kitを用いて行うとともに、測定した各検体由来のアディポサイトカイン濃度と、合併症発生頻度などの臨床データとの相関関係を統計ソフトを用いて分析する予定である。 また脂肪組織における炎症性細胞浸潤の組織学的検討として、脂肪組織検体(手術操作前後で採取)を用いて、手術操作による脂肪組織での炎症性細胞浸潤の程度について調べる。具体的には、脂肪組織へのマクロファージ浸潤を、HE染色および免疫組織染色にて詳細に検討する。 In vitro実験に関しては、本年度に完了できなかったマクロファージの分離・培養手技が確立できるか否か現時点で不明である。まずは、脂肪組織検体のパラフォルムアルデヒド固定パラフィン包埋標本を作成し、手術侵襲(炎症)によりマクロファージが内臓脂肪組織内に集積・浸潤する所見を同定し、統計学的に脂肪細胞当たりのマクロファージ細胞数を分析する。仮に組織標本からのマクロファージの数が非常に少なく、その分離や細胞培養の条件設定が困難で、脂肪細胞と特定のマクロファージの共培養が困難と判断された場合、マクロファージの分離・培養は行わずに、本実験(アディポサイトカイン分泌能の検討)を開始予定とする。
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