Project/Area Number |
23K08108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高根 希世子 東京大学, 医科学研究所, 助教 (60756112)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 腹膜偽粘液種 / DNAメチル化 / オルガノイド |
Outline of Research at the Start |
腹膜偽粘液腫(Pseudomyxoma peritonei:PMP)は、腫瘍細胞から分泌されるゼラチン様物質が腹腔内に貯留し、腹部膨満や腹痛などの様々な症状を呈する。100万人に1-2人の稀な疾患であり、5年生存率が40%前後と報告されているが、患者の大多数は再発を繰り返し、再発に対する複数回の手術の実施など、患者のQOLは高くない。本申請課題では、臨床検体での全ゲノム・RNA-Seq・メチル化解析を行い、PMPの発生・進展に関わる遺伝子変化を明らかにする。さらに、同定した新規遺伝子やパスウェイに対しPMPヒトオルガノイドを用いて機能解析を行い、予後との相関、治療応用可能な遺伝子を同定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は45検体の腹膜偽粘液腫(Pseudomyxoma peritonei:PMP)に対し、全エクソームシーケンス解析を行い、その中で腫瘍含有率が35%以上ある15検体のPMPと8検体の非癌性大腸組織について、ゲノムワイドDNAメチル化解析と発現解析を行った。その結果、15個のPMPはDNAメチル化において少なくとも2つのエピジェノタイプ、ユニークメチル化エピジェノタイプ(UME)と正常様メチル化エピジェノタイプ(NLME)に分類されることがわかった。さらに大腸がんをDNAメチル化レベルにより4群に層別化可能なプローブを用いて、The Cancer Genome Atlas (TCGA)データベース上の大腸がん297例と正常大腸粘膜37例をPMPと比較したところ、UME 型 PMP は LME型大腸がんに、NLME 型 PMP は NLME型大腸がんに分類された。この結果からも、PMPには少なくとも2つのサブタイプが存在することが判明した。これらの結果は論文にまとめ、報告済みである。 さらに発現解析と組み合わせ、DNAメチル化が有意に上昇し、発現が有意に減少する36遺伝子を同定した。その中で、現在我々はヒトのがんと関連することが示唆され、なおかつ10検体正常とPMP組織のペアにおいて、すべてのPMP組織で発現が有意に減少するTSPYL5とHOXD1という2つの遺伝子に注目している。同遺伝子の発現が低い大腸癌細胞株HCT116を用いて遺伝子発現実験を行った結果、TSPYL5が細胞遊走に重要な役割を果たしていることが示唆され、さらにHOXD1については、分化への関与が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでにPMP検体を用い、DNAメチル化が有意に上昇し、発現が有意に減少する36遺伝子を同定しており、現在はその遺伝子群の精査を行っている。 また、オルガノイドの検体数も順調に増えており、遺伝子が決定次第、機能解析を行える環境が整いつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
すでにPMP検体を用い、DNAメチル化が有意に上昇し、発現が有意に減少する36遺伝子を同定しており、現在はその遺伝子群の精査を行っている。上記で触れたTSPYL5とHOXD1を用い、PMPオルガノイドにおいても同様の結果が得られるか、検体数を増やしても同様の結果となるか検討する。また、すでに得られている36遺伝子の他の遺伝子についても検討していく。
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